現在の本堂は文化8年(1811年)に
建立されたものです。
その際の棟札は
真言宗に伝わる伝統的な書式の下
表裏両面に色々と書かれております。
一部を紹介すると表面中央には
本尊・愛染明王(あいぜんみょうおう)を
表す梵字である「ジャク」に続き
奉建再建本堂一宇八間仁六間
本尊羅誐尊
院内安穏興隆佛法諸難消除
當寺檀家息災延命子孫繁昌所
と書かれております。
羅誐尊(らぎゃそん)とは
愛染明王のことです。
その右側には
大檀那
南部大膳大夫利敬公
御武運長久領内泰平
の文字が見られます。
大檀那(だんな)とは「大施主」の意味で
当時の盛岡藩藩主・利敬(としたか)公が
厚く庇護下さったことを意味しております。
同面には他に大工棟梁
木挽(こびき)
普請世話方の名前や
落慶の日付が記されており
歴史を感じさせられます。