お地蔵さまのご縁日

24日はお地蔵さまのご縁日です。

 

お地蔵さまは

正式には地蔵菩薩(じぞうぼさつ)

というお名前です。

 

通常ですと

菩薩のお姿は

多くの装飾を身に着けた

菩薩形(ぼさつぎょう)という

形態なのですが

地蔵菩薩は菩薩でありながら

質素な僧形(そうぎょう)という

お姿をしております。

 

子どもとご縁のある

仏さまとしても有名です。

 

普賢院にも

お地蔵さまは

いくつか祀られており

古くから篤く信仰されてきました。

 

少し前に

身の丈20cm弱の

古いお地蔵さまを

弘前の仏師・小堀寛治さんに

修復していただきました。

 

小さいながら

とても丁寧に作仏された

端正なお地蔵さまです。

 

そのお地蔵さまには厨子がなく

お仏像のみでお祀りされていたので

版木入れとして使っていた

古い木箱に

地蔵堂で使われていた戸帳を

裁断したものを設え

その中にご安置いたしました。

 

現本堂の地蔵堂で

飾られていた戸帳は

新本堂で使う予定が

なかったのですが

このような形で

使うことが出来て

とても良かったと感じます。

 

さらに小型須弥壇に

厨子を安置しまして

とても厳かになりました。

 

こちらのお地蔵さまは

新本堂の地蔵堂で

子安さま(子安地蔵)の隣に

お祀りする予定です。

 

 

▼仮地蔵堂(位牌堂)の子安地蔵

新本堂の地蔵堂では

主尊としてお祀りされます。

たくさんの思い出を胸に

本堂での行事などを

振り返ってみると

ここ数年だけでも

とてもたくさんの事が

あったということを

実感させられます。

 

文化8年(1811)以来

多くのひとときが積み上げられた

本堂の最後の姿を

映像として残したいと思い

最近の行事などの映像も交えて

短い動画に編集しました。

 

思い出多き風景は

大きく変わろうとしております。

 

移ろいゆくなかにあっても

この風景は

心にとどめ続けたいと思います。

 

令和3年がチラついてきました

この時季になると

年末のことがチラつきはじめます。

 

年末年始は

色々大変な時季なうえ

年が明けると

春彼岸まで行事が立て込みます。

 

毎年毎年

年が明けると

4月まで一気に過ぎていくような

イメージがあります。

 

仮本堂となってから

初めての年末年始ですし

来年の行事は

これまでとは違った形となるので

まさに心機一転です。

 

普賢院は

平安初期(810年頃)に開創され

承安元年(1171年)に開基された

古いお寺です。

 

令和3年(2021)は

開基の承安元年(1171)から

850年というメモリアルイヤー

でもあります。

 

「開基850年忌」として

開基上人の行海大和尚のご供養を

特別に行うという予定は

今の所ないのですが

こういった歴史的節目は

大切にしたいと考えております。

 

来年の歴史的な行事としては

本堂建替に伴う地鎮式なども

控えておりますが

開基850年に当たる年に

そういった儀式が

重なっていることは

きちんと心に

留めておきたい所です。

 

模索しながら

本日は

論語勉強会が行われました。

 

仮本堂として

以前とは仕様が一変した会館ですが

特段問題なく

皆様と学びの時間を

ご一緒させていただくことが出来ました。

 

論語勉強会のあと間もなくして

仮本堂にて法事の予定もありましたが

こちらも問題なく終えることが出来ました。

 

ただ

堂内の案内掲示に

今以上の配慮と工夫が必要だとも感じたので

早速改善を図りたいと思います。

 

お寺の宝物(ほうもつ)の

整理の関係で

客殿に棟札(むなふだ)などを

並べております。

 

当山は

南部藩祈願所(きがんしょ)

という位置づけのお寺だったため

棟札が作られた当時の藩主の名が

アチラコチラに見られます。

 

文化7年の火災により

多くの宝物(ほうもつ)が

焼失したとされる中で

難を逃れたものが

今に残っていることは

とても尊いことだと感じます。

 

現存する棟札で

年号が確認出来るものの中では

承應3年(1654)の観音堂再建の棟札が

最も古いものとなります。

 

当時の住職がしたためたものなのですが

芸術的な筆跡は見事なものです。

 

新本堂では

こういった宝物(ほうもつ)の

保存であったり展示ということも

一つの課題にあげられております。

 

今月からは

建設工事の会議である

施工部会で詳細をつめるので

この点についても

委員の皆様と

熟考させていただきます。

 

 

元本尊・十一面観音のご利益とご功徳

新たに迎えられた

本山である長谷寺(奈良県桜井市)と

同形式の十一面観音像。

 

十一面観音は

新たに造立したお仏像以外にも

お祀りされておりましたが

このたび新たに造立されたお仏像は

本堂建替という歴史的な節目にあたり

もともとの本尊が十一面観音だったという

当山の由緒を踏まえた上で

仏師さんに相談させていただき

作仏を手掛けていただいたものです。

 

胎内仏(たいないぶつ)や経文も

納めさせて頂き

お作法を施させていただき

現在に至っております。

 

開眼供養の様子を

短い動画に編集しておりますので

よろしければご覧下さい。

 

▼開眼供養の動画(youtube)

https://www.youtube.com/watch?v=SYdMUJqGdpI&t=17s

 

十一面観音には

十種勝利(十の尊いご利益)と

四種功徳があるとされます。

 

十種勝利とは

①離諸疾病

②如来攝受

③獲得財穀

④怨敵不害

⑤国王慰問

⑥不中毒薬毒蟲寒熱疾

⑦刀杖不害

⑧水不溺

⑨火不焼

⑩不夭逝

 

四種功徳とは

①臨終見仏

②不生悪趣

③不非命終

④得生極楽

 

細かな説明はしませんが

注目すべきは

十種功徳の①離諸疾病です。

 

十一面観音は

「疫病退散」「悪疫退散」を

第一功徳として

信仰されてきた尊格でもあります。

 

そういった歴史的経緯があるため

昨年初夏に作仏をお願いした十一面観音が

世界中ウイルス禍に見舞われている

本年にお迎えされたことに

奇縁を感じています。

 

現本堂での最後の護摩

9/17午後7時より

観音堂にて護摩法要を

執り行いました。

 

現本堂で修法する

最後の護摩法要です。

 

もともと9/17は

秋の観音例祭として

お神酒上げが行われて

いたのですが

ここ何年も

休止しておりました。

 

久しぶりの

“秋の観音例祭”の意味も込め

お勤めさせていただいたつもりです。

 

現本堂での

最後の護摩法要ということで

夜分にも関わらず

わざわざ駆けつけて下さった皆様には

本当に感謝しております。

 

次の護摩法要は

新本堂にての開催です。

 

“新本堂での最初の護摩法要”は

令和4年の秋以降の予定です。

 

また

新本堂が使えるようになるまでは

護摩の御祈祷も休止となります。

 

次の護摩法要は

更に精進を重ねたうえで

修法させていただきたいと思います。

 

十一面観音の開眼供養を行いました

当山に新たに迎えられた

長谷寺式の十一面観音三尊。

 

ここでいう十一面観音三尊とは

十一面観音

雨宝童子(うほうどうじ)

難陀龍王(なんだりゅうおう)の

三尊を指します。

 

弘前にお住まいの仏師である

小堀寛治さんに手掛けていただき

先日当山に迎えられたお仏像を

本堂にて開眼供養いたしました。

 

普賢院は平安初期の開創で

当初の本尊は十一面観音だったと

伝えられます。

 

その由緒を踏まえ

本堂建替という歴史的節目にあたり

作仏していただきました。

 

9/17は秋の観音例祭が

行われていましたが

秋彼岸の直前ということもあり

ここ何年も行われて

おりませんでした。

 

現本堂で迎える

最後の9/17ということで

十一面観音の開眼を

本日行わせていただきました。

 

柔和なご尊顔が

いっそう優しくなったように

感じられます。

 

仏像の採寸

当山には多くの仏像が

お祀りされております。

 

新本堂の設計をこれから

詰めていくことになります。

 

仏像を祀るスペースについて

検討を進めるべく

主な仏像の採寸を行いました。

 

祭壇の幅をどれ位にするか

高さをどれ位確保すれば良いかなど

細かな部分を決めていくわけですが

この作業は新本堂建設において

とても重要な意味を持つと考えております。

 

仏像の祀り方は

“お寺の顔”でもあるので

熟考した上で

諸事決定したいと思います。

 

輝き増した大日如来像

先日新たに十一面観音三尊を

お迎えいたしましたが

その際に

修繕を終えたお仏像2体も

引き取らせていただきました。

 

そのうち一体は

大日如来像です。

 

この大日如来像は

身の丈15センチ程のお仏像で

全体的に燃え焦げていました。

 

おそらく文化7年(1810)の

本堂火災の際に

後背や台座などが焼失してしまい

仏像部分のみが残ったものと

思われます。

 

火災の歴史をその身に留める

貴重なお仏像の一体です。

 

大日如来は

真言宗では殊に重要な尊格で

まさに主尊とされます。

 

以前より気にかかっていたものなので

この機会に後背・台座・厨子の製作を

仏師・小堀寛治さんに

お願いしておりました。

 

仕上がりを拝見しまして

とても感動しました。

 

もともとのお仏像の

雰囲気を踏まえた製作は

まさに職人技です。

 

こちらの大日如来像は

新本堂では観音堂脇堂の

上段中央にお祀りされる予定です。

 

普賢院には

大日如来像がいくつかお祀りされますが

その中で最も古いのが

今回紹介させていただいたお仏像です。

 

これからも

大切に祈り継ぎたいと思います。

 

▼修繕前

 

▼修繕後(後背・台座・厨子を製作)

よみがえった七崎十一面観音

当山は開創以来

1200年の歴史を持つ古刹です。

 

現在の本尊は愛染明王ですが

もともとは十一面観音を

本尊としていたと伝えられます。

 

文化8年(1811)以来の

本堂建替という歴史的な節目にあたり

本山である長谷寺(奈良県桜井市)の

本尊と同じ三尊形式の

十一面観音の造立を発願(ほつがん)し

弘前の仏師である小堀寛治さんに

作仏をお願いしておりました。

 

仏師の小堀さんは

これまでも当山の不動明王像や

子安地蔵菩薩像の修繕も

していただいております。

 

その他にも

古い大日如来像と地蔵菩薩像の

修繕をお願いしていましたが

全て作業が完了したとの

連絡を頂戴したので

弘前にお仏像の

お迎えに行ってまいりました。

 

八戸駅前のレンタカー屋さんで

ステップワゴンを借りて

一路弘前へ。

 

本日は八戸も弘前も

30℃を軽々超える日和で

暑さがこたえる1日に。

 

暑さがこたえると感じる一方で

晴天のもと

お仏像をお迎えにあがることが

出来るということは

とてもありがたいことだとも

感じていました。

 

仏師さんのもとに到着すると

小堀さんご夫妻が

この度も温かくお迎え下さいました。

 

お部屋にお通しいただき

仕上げられたお仏像と

いよいよお目見え。

 

そこには

ぬくもりが感じられる

素晴らしいお仏像が

きれいに並べられておりました。

 

小堀さんご夫妻に

全てのお仏像を

ご丁寧に梱包していただき

車に搬入して

今度は一路普賢院へ。

 

当山に到着して

まず梱包されたままのお仏像を

本堂へ仮安置して

一旦レンタカーを返しに行き

再び戻ってから

お仏像の梱包を外しました。

 

やはり最初は本尊御宝前に

仮安置した方が良いと思い

内陣須弥壇に

並べさせていただきました。

 

とても感慨深いものがあります。

 

新たに作仏された十一面観音三尊は

新本堂内陣の本尊の脇仏として

厳かにお祀りさせていただく予定です。