総代さんの葬儀でした

本日は

普賢院の総代を担っていただいた方の

葬儀が執り行われました。

 

口数は多くはなく

誠実に黙々と

諸事ご尽力下さった

生前のお姿が

鮮やかに思い出されます。

 

とても穏やかなお顔のご遺影で

今も安らかな境地から

お見守り下さっているように

思われました。

 

長い間

お力添え下さったことへの

感謝の思いも重ね

つつしんでお弔いの儀式を

ご一緒させていただきました。

 

新しい本堂の完成を

その目でご覧になって

いただきたかったという

思いが正直あります。

 

本堂建替は

議事として取り上げられてから

今日に至るまで約10年の

月日が経過しています。

 

その間には

沢山の出会いがある一方で

沢山のお別れがありました。

 

これまで

何度もお伝えしたように

今進められている本堂建替は

単に建物を建替えるという

意味に留まるものではありません。

 

深い意味のある

仏道としての浄行であると

拙僧泰峻は捉えております。

 

仏道としての浄行であるということは

供養や祈願といった意味合いも

含まれたものということです。

 

現在

進められている大事業が

無事に結ばれることが

世の平安への願いや

有縁の方々の諸願成就

さらには

有縁各家各人の菩提安寧に

つながると心から信じています。

 

 

 

境内整備も少しずつ進められています

 

▼歴代住職墓建立碑の移設が完了しました。

 

▼階段に庭園灯を2基設置します。

 

▼修行法師周辺の石碑を整理・再配置しました。

本堂内部の工事も順調です

本堂内部では

左官工事が順調に進められ

壁の漆喰(しっくい)も

徐々に仕上がってまいりました。

 

また

クロスを貼る作業も

一気に進みまして

堂内の様子を拝見すると

完成が近づいていることを

実感させられます。

 

堂内の様子をお伝えする

映像を用意したので

ご覧いただいて

進捗状況をご確認いただけると幸いです。

 

仏像の修繕と造立を振り返る

平成29年より6年計画で

本格的に始動した本堂建替事業では

多くのご協力のおかげで

主要なお仏像の修繕や造立も

行うことが叶いました。

 

当山は歴史が古いということもあり

とても多くの由緒ある

お仏像がお祀りされており

“見どころ”でもあります。

 

振り返りの意味もあり

お仏像の修繕や造立について

以下に簡単にまとめてみました。

 

今回は紹介出来ませんが

ひとつひとつに

エピソードがあります。

 

色々な方の

切実な願いが込められているものもあり

これまでの経緯を振り返ることで

そういったお心と

また向き合わせていただいたように思います。

 

①本尊・愛染明王

  • 江戸期の当山本坊(宝珠盛岡山永福寺)住職・宥瑗(ゆうえん)により文化7年(1810)奉納
  • 故・哘啓造(さそうけいぞう)氏のご寄進により、この度修繕

 

 

②普賢菩薩

  • 造立年代不明
  • 昭和4年(1929)に修繕し彩色が改められるも、経年劣化が著しかったため、この度修繕
  • 新本堂では本尊脇侍(わきじ)として安置

 

 

③十一面観音三尊(長谷式)

  • 造立施主(匿名希望)のご寄進により作仏
  • 当山の本尊はもともと十一面観音とされる
  • 総本山長谷寺の本尊と同形式で作仏
  • 新本堂では本尊脇侍として安置

 

 

④本 七崎観音(もとならさきかんのん)

  • 明暦元年(1655)南部重直公により奉納
  • こちらの観音像の御前立ちが現在秘仏として祀られる七崎観音(ならさきかんのん、「現 七崎観音」)
  • 破損箇所が多く、各所傷みも激しかったため修繕
  • 新本堂では観音堂内殿に安置

 

 

⑤大日如来

  • 年代不明
  • 蓮台・光背がなかったため、新たに制作
  • 厨子を新調
  • 新本堂では観音堂脇祭壇に安置予定

 

 

⑥不動明王三尊

  • 年代不明
  • 近世の文書によると、江戸期は本尊愛染明王の脇侍として祀られていた
  • 全体的に焼け焦げていた(文化7年[1810]の火災によるもの)
  • 本体の大きさにあわせ台座・光背・持物を新調
  • 脇侍の二童子を新調
  • 新本堂では観音堂脇祭壇に安置

 

 

⑦不動明王

  • 年代不明
  • 近世の文書によると、江戸期は本尊愛染明王の脇侍として祀られていた
  • こちらも全体的に焼け焦げていた(文化7年[1810]の火災によるもの)
  • 本体の大きさにあわせ台座・光背・持物を新調
  • 新本堂では観音堂脇祭壇に安置

 

 

⑧聖徳太子

  • 年代不明
  • 鋳造仏
  • 台座がなく自立出来なかったため、台座を新調

 

 

⑨子安地蔵

  • おいらせ町の旧家より奉納された子安さま
  • 破損箇所が多かったため修繕

 

 

⑩地蔵菩薩

  • 年代不明
  • 仏像のお足元にホゾ穴があり、もともとは台座があったと思われるが本体のみ祀られ、自立出来ない状態だったため台座を新調

 

 

⑪仁王

  • 享保3年(1718)9月に津嶋弥十郎清春が奉納
  • 材質は青森ヒバ
  • 仁王門建替・仁王像修繕・台座新調

ガラッと

2年前の夏の境内の写真と

現在の境内の写真を

見比べると

当然のことながら

ガラッと変わりました。

 

2本の大きな結界杉と

イチョウの木を筆頭として

境内周辺の立木が伐採されました。

 

本堂の建設位置が

以前よりも奥側(西側)に

なったため

2020年と同じ位置から撮影した

写真には本堂が写っておりません。

 

それと

仁王門が新しくなりました。

 

夏頃から始まる

外構工事の後は

さらにガラッと

景観が変わることになります。

 

歴史の大きな転換点に

向き合わせていただいてきたことを

改めて痛感させられます。

 

一気に話が変わりますが

本日は豊崎小学校の校庭で

小中合同の運動会が

開催されました。

 

拙僧泰峻は

法務の都合もあり

冒頭のみ拝見させていただいたのですが

元気をいただいたように感じました。

 

未来を担っていくことになる

子どもたちの元気な姿は

地域を明るく

照らしているようにも感じました。

 

未来を担う子ども達のために

出来ることは

きちんと行わせていただこうとの

思いを新たにさせていただきました。

 

▼2020/8/21

 

▼2022/5/19

心地よい境内散策

本日は1日中

調べ物に勤しませていただき

頭がオーバーヒート気味の住職です。

 

最近のルーティーンワークは

夕方の境内散策です。

 

工事の進捗状況を

拝見させていただいたり

木々花々を眺めたりしながら

散策するのは

とても心地よいものです。

 

仁王門の屋根にも

銅板が葺かれ鬼瓦も

設置されていました。

 

立派な仁王門に

装い新たな仁王様が

お祀りされている様子は

とても神々しく感じます。

 

本堂と両脇建物の渡り廊下の

鉄骨が大分建てられました。

 

図面だけでは

イメージしにくかったのですが

なるほどこのような形になるのかと

ようやく理解いたしました。

 

さて

何日か前にもお知らせしましたが

新たに薬師如来像を

お迎えすることとなりました。

 

こちらのお仏像ですが

コサカ技研の

小坂明会長のご厚意で

ご奉納いただくこととなりました。

 

お仏像本体は

高さ143cmの

大きな脱活乾漆坐像で

お像が載せられている

高さ31cmの六角形形の台を

含めると

170cm以上の大きさとなります。

 

この素晴らしい薬師如来像は

会館の祭壇中央に

ご安置する予定です。

 

既存の祭壇は奥行きが50cm程なので

旧本堂で弘法大師と興教大師の

安置壇として使用していた台を

組み合わせて

薬師如来を安置するのに

必要な奥行きを

確保したいと

考えております。

 

薬師如来像を安置する祭壇は

90cm程の高さになるので

そこから170cm程の高さを

確保できるか確かめてみましたが

ちょうど納まる高さのようです。

 

ご安置するにあたり

様々な工夫をさせていただき

多くの方に

祈りをお捧げいただけるよう

準備を進めたいと思います。

 

▼仁王門の屋根

 

▼南西側からの外観(その1)

 

▼夕日

 

▼南西側の外観(その2)

 

▼正面外観

 

▼渡り廊下の鉄骨(その1)

 

▼渡り廊下の鉄骨(その2)

 

▼奉納される薬師如来像

本堂建設工事の様子をお伝えします

本年の4月と5月は

風が強まることが多く

なかなかドローンを

飛ばせないでいましたが

久しぶりに穏やかな日和となったので

工事の様子を撮影しました。

 

そういえば

1年前の令和3年5月19日は

地鎮式(じちんしき)が

行われました。

 

1年前は更地の状態でしたが

1年が経過して

同地に立派な本堂が建っていることに

感慨深いものがあります。

 

 

▼地鎮式の様子(2021/5/19)

 

郷土の芸術家が手がけたお仏像

八戸市の芸術家である

久木田恭輔(くきたきょうすけ)さんが

何年も前に

制作されて

ご奉納下さった

仏画やお仏像が

当山にはございます。

 

旧本堂解体に伴う

引っ越し作業を進めていた際

久木田さんにご奉納いただいたお仏像を

安置するスペースを確保出来なかったため

色彩が施された観音像以外の7体は

有縁の所にお護りいただいておりました。

 

本堂建替事業が終盤に

さしかかったということもあり

全てのお仏像が

当山にお戻りになりました。

 

新本堂が完成して

仮本堂・仮観音堂・仮地蔵堂に

現在祀られているお仏像が

所定の場所に安置された後

久木田さんのお仏像は

仮観音堂・仮地蔵堂として

使用していたスペースに

ご安置する予定です。

 

 

▼仮観音堂・仮地蔵堂(令和4年5月時点)

美しき脱活乾漆

脱活乾漆(だっかつかんしつ)とは

漆を用いた作仏の技法で

奈良時代に盛んであったとされます。

 

平安時代以降になると

木造での作仏が中心となり

脱活乾漆による御像は

あまり見られなくなり

「幻の技法」と化してしまいます。

 

奈良時代に隆盛した

脱活乾漆の技法は

幻のものとなったものの

脱活乾漆の古仏の断片を

手がかりとして

現代に蘇らせたのが

関頑亭(せきがんてい)先生です。

 

関頑亭先生が手がけられた

素晴らしい御像は

市内の洗心美術館に

何点か所蔵されております。

 

以前にもご案内しましたように

洗心美術館を管理されている

コサカ技研の小坂明会長の

ご厚意により

当山に脱活乾漆像を

奉納いただくことになり

本日打ち合わせに

行ってまいりました。

 

ご奉納いただく権現像は

観音堂の中央祭壇の前に

ご安置いたします。

 

仏像奉納の施主である

小坂会長方3名で

新本堂の権現像をお祀りする場所を

ご確認いただきまして

今後の段取りについては

徐々に詰めることとなりました。

 

そのような

打ち合わせをさせていただく中で

脱活乾漆をもう一体

ご奉納いただけることになりました。

 

新たにご奉納いただくことになったのは

薬師如来(やくしにょらい)像です。

 

思いもかけない

お話しだったので

とても驚いたとともに

大変ありがたく感じました。

 

大変に光栄なお話しをいただき

当山での祭祀方法を

色々と検討した結果

薬師如来像は

ふれあい豊山館1階の

祭壇中央に安置させていただくのが

最も丁寧かと考えております。

 

現在(令和4年5月時点)

ふれあい豊山館1階は

仮本堂として荘厳されており

祭壇中央には本尊厨子が安置されています。

 

当初

新本堂完成後は

仮本堂の荘厳は撤収する予定でしたが

薬師如来像をお迎えするに伴い

仮本堂の荘厳は概ね維持させていただき

「薬師堂」として空間を

整える思案をしております。

 

薬師堂とは

「薬師如来を本尊とするお堂」の意です。

 

ご奉納いただく薬師如来像は

とても立派で

大きさもあるので

脇侍(わきじ)としてお祀りするよりも

一お堂の主尊として

“厳かに”お祀りすべきと思い

そのような方針を

取らせていただく所存です。

 

 

▼権現像(脱活乾漆)

 

▼薬師如来像(脱活乾漆)

本堂正面の足場が外れました

本堂正面の足場が

外されたのですが

足場があるのとないのでは

見た目が全く異なります。

 

画像では伝わりにくいのですが

とても大きく感じられます。

 

また

足場がなくなったことで

正面各所に設えられた

立派な彫刻が

いっそう映えております。

 

当山にお運びの皆様も

日々完成に近づく本堂を

ご覧になられて

感嘆されている様子です。

 

少し先の話になりますが

伝統芸能にまつわる催事が

11月に新本堂にて

行われることとなりました。

 

色々なご縁が重なりまして

催事のご相談をいただき

昨日打ち合わせがありました。

 

詳細は後日ご案内しますが

新本堂での伝統芸能ご披露は

とても有意義かと思います。

 

▼足場アリの時

 

▼正面の足場が取れました

仁王門にガラス戸や格子が入りました

仁王門に

ガラス戸

格子

引き戸が

取り付けられました。

 

とても立派になりました。

 

本堂の足場が一部解体され

接続部分の防火棟の

建設の準備が

進められるようです。

 

本堂内部では

漆喰を塗る作業が進められており

近々クロスを貼る作業も

行われるそうです。

 

拙僧泰峻は

令和4年4月末時点までの

ご寄付奉納者の芳名録を

作成中です。

 

新本堂に掲額するのは

業者さんに制作していただくのですが

拙僧が作っているのは

新本堂が完成するまでの間

堂内に掲示させていただく

途中経過報告のようなものです。

 

近日中には

堂内にて掲示させていただく予定なので

当山にお運びの際は

お目通しいただければと思います。

 

▼仁王門

 

▼取り外された足場

 

▼足場が外された本堂後方

 

▼勧募浄財奉納者芳名録