よみがえった七崎十一面観音

当山は開創以来

1200年の歴史を持つ古刹です。

 

現在の本尊は愛染明王ですが

もともとは十一面観音を

本尊としていたと伝えられます。

 

文化8年(1811)以来の

本堂建替という歴史的な節目にあたり

本山である長谷寺(奈良県桜井市)の

本尊と同じ三尊形式の

十一面観音の造立を発願(ほつがん)し

弘前の仏師である小堀寛治さんに

作仏をお願いしておりました。

 

仏師の小堀さんは

これまでも当山の不動明王像や

子安地蔵菩薩像の修繕も

していただいております。

 

その他にも

古い大日如来像と地蔵菩薩像の

修繕をお願いしていましたが

全て作業が完了したとの

連絡を頂戴したので

弘前にお仏像の

お迎えに行ってまいりました。

 

八戸駅前のレンタカー屋さんで

ステップワゴンを借りて

一路弘前へ。

 

本日は八戸も弘前も

30℃を軽々超える日和で

暑さがこたえる1日に。

 

暑さがこたえると感じる一方で

晴天のもと

お仏像をお迎えにあがることが

出来るということは

とてもありがたいことだとも

感じていました。

 

仏師さんのもとに到着すると

小堀さんご夫妻が

この度も温かくお迎え下さいました。

 

お部屋にお通しいただき

仕上げられたお仏像と

いよいよお目見え。

 

そこには

ぬくもりが感じられる

素晴らしいお仏像が

きれいに並べられておりました。

 

小堀さんご夫妻に

全てのお仏像を

ご丁寧に梱包していただき

車に搬入して

今度は一路普賢院へ。

 

当山に到着して

まず梱包されたままのお仏像を

本堂へ仮安置して

一旦レンタカーを返しに行き

再び戻ってから

お仏像の梱包を外しました。

 

やはり最初は本尊御宝前に

仮安置した方が良いと思い

内陣須弥壇に

並べさせていただきました。

 

とても感慨深いものがあります。

 

新たに作仏された十一面観音三尊は

新本堂内陣の本尊の脇仏として

厳かにお祀りさせていただく予定です。

 

すがすがしく映える

昨日のブログでも書きましたが

本堂建設委員会の資料作りで

収支の実際の数字と資料の数字が

微妙に合わなかったため

本日は早朝より

数字の突き合わせ作業を行いました。

 

地道な作業の甲斐あって

数字の転載ミスが3件発覚し

それらを訂正した所

数字がピッタリ合いました。

 

午前中に問題を解決出来たので

本日の青空の如くに

すがすがしい気分を

味わうことが出来ました。

 

良い気分に多少浸った所で

午後は長時間の経営に関する研修会があり

たっぷり学ばせていただきました。

 

この研修会は地域も宗派も超え

寺院の運営について

学びを深めるもので

年間5回のカリキュラムのうち

本日が3回目の講義でした。

 

講義といっても

ただ単に受けるだけではなく

それぞれの寺院毎に

長期的視点に立った

事(寺)業計画を練り上げる研修会です。

 

毎回4時間以上にわたって

経営学を踏まえた専門的な内容を

学ばせていただいているのですが

毎回充実した学びと気づきを

得させていただいております。

 

当山では

本堂建替事業を推進中ですが

様々な見直しも並行して

進めております。

 

本堂建替にあたっても

将来のことを色々と踏まえて

計画を進めておりますが

将来に向けて

今から出来ることは

きちんと行いたいとの思いを

強く抱いております。

 

よろよろくたくた

本堂建替関連の

やりとりが不思議と

数件重なったうえ

取り急ぎ決定しなければならない

案件がいくつか発生したため

建設委員会の開催の通知を

大急ぎで発送。

 

さらに会議に向けて

これまでの収支表を資料として

添付しようと数字を並べた所

勧募金の総額について

実際の数字と資料の数字が合わず。

 

これまでも

何度もあったことですが

なかなかのショックでした。

 

本年度の数字に誤りがあるようなので

もう一度1月から振り返り

数字を突き合わせなければならないのですが

本日の暑さに加え

法務や法話の疲れもあって

注意力散漫な状態に陥りました。

 

効率が悪いため

明日の午前中に

一気に処理することに。

 

めげずに頑張ります。

 

本日は暑さが戻った1日でしたが

秋の深まりを感じます。

 

先日のブログでも触れましたが

今後は暑さ対策について

今以上に考える必要があると

感じています。

 

新本堂全体に冷暖房完備となると

莫大な費用がかかる上

維持費もかかってしまうので

計画としては

一部スペースのみ

天井埋め込み型の機械を

導入する予定です。

 

新本堂全体ではなくとも

エアコンが使えるスペースが出来るので

あまりにも暑さが酷い時は

そちらで法務を行ったり

あるいはエアコン完備の会館で

法務を行うなどして

暑さ対策を講じるのが

一番現実的かと感じます。

 

そういえば

もうすぐ秋彼岸を迎えます。

 

そちらの準備も

そろそろ始めないと

間に合わなくなるので

取り掛かろうと思います。

 

秋彼岸が終わると

本堂の引越を仕上げて

仮本堂を設営します。

 

本年の9月は

とても大切な月となるので

健康第一で励ませて

いただきたいと思います。

 

   

最後のひとつき

9月に入りました。

 

秋の虫の声が響く本堂は

一年の中で最も味わい深いと

拙僧(副住職)は感じます。

 

現在の本堂は

今月でその役目を全うします。

 

掲げられていた多くの額が外され

仏具等も一部搬出されたため

例年以上に音が響く状態です。

 

ご法事での

作法に伴う音や

鳴り物の音や

読経の声が

“深遠に”響いているように思います。

 

本日は

当山に様々な形で

お力添え下さったお宅の

ご法事が営まれました。

 

この本堂が

もうじき解体されるという

実感も相まって

切ない気持ちもまじりつつ

祈りのひとときを

ご一緒させていただきました。

 

この空間での

最後のひとつき。

 

この空間での時間を

これまで以上に

大切に過ごしたいと思います。

 

未来に託すカタチ

残暑が厳しい日が続いていますが

青空がきれいな日も続いております。

 

つい先日

本堂建替をご担当いただく

松本工務店より

現段階での設計図が

届けられました。

 

本設計は

今後詰めていくことに

なりますが

新本堂の概要が

徐々に固まってきました。

 

取り決めの関係で

設計図についての詳細は

まだお伝え出来ませんが

とても素晴らしい

新本堂になりそうです。

 

お仏像を

お祀りする各スペースについては

各所に安置する

お仏像の大きさを踏まえて

細かな調整を

お願いする予定ですが

新本堂内陣も観音堂も地蔵堂も

一層厳かになるように思います。

 

ここにきて

判断すべきことや

やらなければならないことが

続出しておりますが

ひとつひとつ丁寧に

向き合っていきたいと思います。

 

   

江戸期の香炉〜歴史を感じながらの引越作業〜

本堂解体に向けた引越作業も

大詰めを迎えています。

 

今春に完成した倉庫には

大分物が収められてきました。

 

引越作業は

歴史と向き合う作業でもあり

歴史的なものを扱うことも

しばしばです。

 

本日も一つ貴重な宝物(ほうもつ)を

扱わせていただいたので

紹介させていただきます。

 

本日紹介させていただくのは

江戸期の香炉(こうろ)で

こちらは江戸時代の当山本坊である

盛岡永福寺住職もつとめた

宥瑗(ゆうえん)上人が奉納したものです。

 

宥瑗(ゆうえん)上人は

当山本尊として祀られる

愛染明王像を文化7年(1810)に

奉納された方でもあります。

 

文化7年に

当山が火災に見舞われたことをうけ

同年にお仏像をご奉納下さいました。

 

現本堂は

文化7年の火災をうけ

文化8年(1811)に再建されたもので

この現本堂は本年10月より

解体が始まり

令和4年秋に新本堂が完成する予定です。

 

今回とりあげた香炉は

前回の本堂建替にまつわるものであり

当山の歴史を今に伝える

貴重な仏具です。

 

足が一部破損しているのですが

何かしらの形で

有縁の方々のお目に触れて

いただけるように

考えたいと思います。

 

 

▼江戸期の香炉[施主・宥瑗(ゆうえん)上人]