春彼岸を終えて

令和6年の春彼岸は

本日が明け(最終日)。

 

年末年始からの諸行事は

春彼岸で一応ひと段落です。

 

今月は

25日に写経カフェ

28日に不動護摩が

開催されます。

 

写経カフェや不動護摩は

毎回マイナーチェンジを重ね

あれこれとチャレンジしています。

 

25日の写経カフェもまた

新しい要素を盛り込んで

開催してみたいと思います。

 

28日の不動護摩は

新たに供養護摩木を用意したので

早速実装させていただき

お勤めしたいと思います。

 

毎度のことではありますが

本分を最優先にしつつ

令和6年も「果敢な姿勢」で

諸事取り組ませていただきたいと

考えております。

 

大分前からお伝えしているように

ここ数年はオンライン関係の

取り組みに殊に注力しており

全ての諸行事において

実験的にオンライン的要素を

取り入れることを試みています。

 

現代的技術の力も借りながら

有縁の方とご縁を温められる方法を

探り続けたいと思うので

有縁の皆様は

お付き合いの程

何卒お願いいたします。

 

▼写経カフェで使用するスクリーンは

少し大きなサイズのものを新調しました。

 

今回は配信テストも

実施したいと思います。

明後日の写経カフェをご一緒しませんか?

明後日に開催される

寺子屋ワークショップ

写経カフェのご案内です。

 

令和6年3月25日(月)

午前10時〜正午頃

会場 普賢院ふれあい豊山館

会費 1500円

定員 24名

申し込みフォームからもお申し込みいただけます https://forms.gle/WsuLttYAQ4aZUvot6

 

参加者を募集中です。

 

寺子屋ワークショップは

自利利他(じりりた)を

大切な理念としています。

 

自分のため(自利)だけでなく

他社のためになる(利他)

ひとときとして

お過ごしいただきたいとの思いで

当初から取り組んでいます。

 

利他の具体的行いとしては

会費の一部を

アーユス仏教国際協力ネットワークへの

寄付を通じて

国内を含む国際協力活動の支援に

あてさせていただいております。

 

当面の間は

能登での震災復興支援に

支援を回していただきたいと

考えています。

 

寺子屋ワークショップとして

現在は写経カフェとお寺ヨガを

開催していますが

これらにご参加いただくことが

そのまま支援活動にも重なります。

 

そのことも

お心におとめいただいて

ご一緒いただければと思います。

 

どなたでもご参加いただけるので

ぜひご一緒くださいませ。

 

皆様のご参加

お待ちしております。

 

4年ぶりの数珠回しを振り返る

春彼岸中日法要で

久しぶりに行われた

数珠回しですが

現在の本堂で

初めて行う数珠回し

でもありました。

 

以前ですと

熟知されたベテラン勢の方々が

いらっしゃった中で

行われていた一方で

4年ぶりの実施となった今回は

まっさらな状態で手探りしながらの

数珠回しとなりました。

 

環境が一新しての数珠回しで

感じられたことが多々あるのですが

カンカンと打ち鳴らされる

鉦(しょう)の響きが

とても柔らかかった点が

個人的には印象深く思われました。

 

法要にご参列された皆様は

普段から親しくさせて

いただいている方ばかりだったので

色々とご感想等を伺ったので

それらを踏まえて諸事検討して

次回につなげたいと思います。

 

実は今回の数珠回し実施は

お盆法要での実施に向けた

試験的意味合いも兼ねてのものでした。

 

思い切って

春彼岸に行うことにしたのですが

結果的に良かったと感じます。

 

 

▼今回は大数珠内中央で

念仏の頭を取る先達さんを

弟子の中野太陽さんに

お勤めいただきました。

明日は春彼岸中日法要です

春彼岸も中日を迎えます。

 

お参りの方は

お気をつけてお運びください。

 

12時半から法話

13時から法要となります。

 

法要では4年ぶりに

数珠回しを行いますので

ぜひご参列いただければと思います。

 

法話と法要の様子は

ライブ配信を行います。

 

コロナ禍以降

撮影や配信について

友人たちとともに

独自の「研究」を重ね

試行錯誤しております。

 

それなりに形になってきたので

私たちなりに蓄積してきたものを

活かして配信してみたいと思います。

 

 

 

▼江陽の山内畳店さんが

鉦(しょう)を置く畳台を

製作・奉納してくださいました。

彼岸の日の出

当山は

真東を向いているので

毎朝日の出を正面に迎えます。

 

彼岸の中日には

普賢院から真東にのびる道の先から

日が昇るように見えるのですが

中日が接近してきたので

日の出の位置が

かなり真東寄りになってきました。

 

とても神々しい日の出に

季節の移ろいが感じられます。

 

本日は春彼岸の入りでした

本日から春のお彼岸です。

 

入りの日ということで

朝から多くの方が

お参りにお見えでした。

 

寺報『おてら通信』(第46号)も

ギリギリ間に合いまして

堂内各所に置いております。

 

お参りの際は

お取りいただいて

お目通しいただければ嬉しいです。

 

新しいリーフレットも

並べてあるので

お運びの際は

ご自由にお取りください。

 

先日もご案内しましたが

中日の20日の法要では

しばらくぶりに

数珠回しを行います。

 

数珠回しには

ある程度人数が必要なので

ご都合よろしい方は

ご一緒いただければ幸いです。

 

お手伝いいただける方も

募集しているので

ご検討の程お願いいたします。

 

20日の中日法要の数珠回しの準備をしました

本年の春彼岸中日である20日の

午後1時からの法要では

久しぶりに数珠回しを行います。

 

ご参列の方には

念仏をお唱えいただきながら

数珠を回していただきます。

 

数珠回しの慣習は

今や消滅しかかっていると

言っても過言ではありません。

 

久しぶりに行う数珠回しに

大切な方の安寧への思いを託していただき

ご一緒いただければと思います。

 

 

▼数珠回しの先達は

中野太陽さんにご担当いただきます。

令和6年春の終活カフェのご案内

終活カフェ

  • 日時:令和6年4月18日(木)
  • 時間:13:00〜15:00
  • 会費:無料
  • 定員:10名程度(要申し込み)※申し込み締切:4月15日(月)
  • 会場:普賢院 ふれあい豊山館

 

当日のスケジュール

  • 13:00〜13:20 住職のお話「昨今の葬儀事情」
  • 13:20〜14:20 橋本亮子さんのお話「家系図について」
  • 14:30〜14:50 中野太陽さんのお話「終活について」

 

話者の簡単なご紹介

  • 品田泰峻:普賢院住職・真言宗豊山派総合研究院現代教化研究所常勤研究員
  • 橋本亮子さん:有)虹の川 代表 【HP】https://kakeizu-r.jp/
  • 中野太陽さん:太陽坊 代表・終活カウンセラー上級【HP】 https://x.gd/Y4ZdS

 

時代の大きな変化は

これまでの葬送のあり方の

維持を難しくしています。

 

新しい葬送のあり方が

続々と現れている昨今ですが

大きな変化の諸相を

俯瞰するとともに

そもそもの本質に

目を向ける必要がある時代だと

普賢院では捉えています。

 

そのような課題意識のもと

令和6年春の終活カフェは

自身の“命の系譜”といえる家系図に

携わる橋本亮子さんを

ゲストに迎えて開催いたします。

 

当日はまず住職が

「昨今の葬儀事情」について

お話させていただきますが

そこでは仏教における

「系譜」の意義にも触れて

お伝えしたいと思います。

 

お寺や各尊格の諸縁起

葬儀において故人に授けられる血脈は

各派・各寺において

尊ばれ継承される「系譜」といえます。

 

そういったことにも触れながら

住職・僧侶の立場から

葬送事情について

述べさせていただきます。

 

また、普賢院合葬墓の現状や

昨今は檀家さん以外の方の葬儀が

増加傾向にあることなど

普賢院の事例を踏まえて

時間の許す限りお伝えしたいと思います。

 

それに続いて

家系図の制作を行われている

橋本亮子さんにお話いただきます。

 

「終活」と聞くと

生前に葬儀やお墓の準備をすること

というイメージが強いと思いますが

それらの背景にあるもの

(慣習や観念や死生観など)を

踏まえることも

大切であると考えます。

 

家系図コンサルタントである

橋本さんのお話を通じて

葬送や供養にも通亭するものを

感じていただければ幸いです。

 

終活カウンセラーでもある

中野太陽さんには

一般的にいわれる所の

終活についてお話いただきます。

 

終活として

どのようなことを行うことが

推奨されているのか等について

ご確認いただければ幸いです。

 

「これからの葬送を考えるにあたり」

という副題は

このひとときが

これからを考える

何かしらの契機にしていただければ

との思いを込めたものです。

 

どなた様でもご参加いただけるので

ご興味をお持ちの方は

お気軽にお申し込みください。

 

思い出のランドセルギフト2024のご案内

思い出のランドセルギフト2024

  • 回収期間:令和6年3月17日〜4月末日
  • 協賛費:ランドセル1個につき3000円(輸送経費として)
  • その他:未使用の鉛筆や消しゴム、ノートなど文房具をお持ちでしたら、ランドセルにお入れいただき、普賢院にお届けください。
  • 主催団体:JOICFP(ジョイセフ)【HP】https://www.joicfp.or.jp/jpn/

 

普賢院では

役目を終えたランドセルを集めて

アフガニスタンに贈り

就学支援に役立てていただく

思い出のランドセルギフト

というJOICFP(ジョイセフ)の活動に

趣意賛同して2018年から

協力させていただいております。

 

本年も取り組ませていただくので

ご協賛いただける方はご協力の程

何卒お願いいたします。

 

普賢院では例年

春彼岸の入りの日から

4月末日までを

ランドセル回収期間としており

本年もそのようにいたします。

 

日本のランドセルは

とても頑丈で精巧な造りをしており

アフガニスタンの子ども達の

憧れなんだそうです。

 

識字率がほぼ100%である日本とは

全く環境が異なり

子ども達(特に女の子)は

生きるための学習の機会が

圧倒的に少ないのが現実です。

 

「生きるために学ぶ」という感覚は

今の日本では実感がわきにくいかもしれませんが

読み書きが出来るということは

生きていくことにおいて大きな意味を持ちますし

時として学びは多くの命を

救うことにもなります。

 

思い出のランドセルギフトは

就学支援に大いに資することなり

それは多くの方の命を救い得ることでもあります。

 

日本で役目を終えたランドセルを

アフガニスタンの新しい持ち主に使っていただき

新しい物語を紡いでいただきませんか?

 

ご協力の程

何卒よろしくお願いいたします。

 

紐解き七崎観音⑨

さまざまな尊格について語り

お寺について語り

お寺の本尊の霊験や

巡礼や修行などの功徳など

アラカルトなものを

広く巧みに語った方々が

全国各地に存在しました。

 

時代により

その様相は異なりますが

仏教伝来以前にもまた

巫術に通じる方が

“聖なる言葉”を

述べていたらしいことが

古い史料は伝えています。

 

七崎観音についてもまた

「語り」を担った方が

いたということを

今回のテーマとして

述べてみたいと思います。

 

高野聖

念仏聖

勧進聖

修験者

行者

山伏

などといった言葉は

誰もが聞いたことがあると思います。

 

当地における資料を管見すると

山伏や修験者といった言葉が

好んで用いられているものの

無警戒かつ広義的に

使用されているような感が

あるように思います。

 

このことは

真言宗や天台宗といった

用語についても同様で

専門的な観点からすると

違和感ある宗派感覚で以て

片付けられてしまっている

印象があります。

 

現在でいうところの宗派は

実はかなり現代的なものであり

江戸期であっても

表の法流(行政上のもの)と

実際の中心的な法流が

異っているという場合もあるのです。

 

横のつながりや交流も盛んゆえ

諸宗諸派の交流を通じた研鑽・修行は

珍しくないわけで

在地の山伏や行者や聖といった方は

もっと習合的様相があったということが

出来るので

どのような意味を託して

用語を用いているのかについて

定義するなり含みを持たせる

一手間が必要だと思います。

 

僧侶と一言でいっても

正式な得度ではない形で

沙門となった私度僧という

あり方もありますし

私度僧を修験者や山伏に

含めて表現することもありますし

歴史があってバリエーションもある

用語の使用というものは

とてもデリケートなことだと感じます。

 

七崎観音ほか

当山には十和田湖南祖坊伝説など

いくつか語り継がれるものがありますが

それら諸縁起・伝承・伝説を

受容する社会側からの検討が大部分で

それを主導した仏教者側の

思想的背景や意図などに

焦点を当てた検討は

ほとんど見られません。

 

これは当シリーズでも

何度か触れている点ですが

日本的な仏教的文脈にて語られ

共有されてきたと思われるものゆえ

仏教学的アプローチは

とても有効的であると確信します。

 

そういう課題意識を

抱いていることを

明言させていただいたうえで

本シリーズでは先に触れた

諸聖や山伏や修験者や私度僧などを

ヒジリと表現させていただきます。

 

漢字の聖ですと

尊い僧侶を意味することもあるので

カタカナでヒジリと

表記させていただき

広義的意味で用いたいと思います。

 

当地では現在

修験者という言葉が

山伏という言葉と区別なく

用いられている印象がありますが

諸国を遊行する山林修行者のうち

特に祈祷に効験ありとされたものが

修験者と称され

人々に支持されたわけなので

行状の程度等を無視して

用いてしまうと

限定的理解を招きかねないと思うのです。

 

山林修行の歴史はかなり古いとされ

近年では古代仏教の研究の成果により

かなり重層的なあり方であったことが

解き明かされてきました。

 

奈良時代になると

日本では山林修行に励む

仏教者が顕著となり

それは大乗仏教的菩薩行の一環として

実践されており

修行者は自利利他の二利を志向した

幅広い活動を行い

それは広く社会に及んでいたとされます。

 

当山の開創開山は

1200年以上さかのぼる

延暦弘仁年間(782〜824)に

圓鏡上人によるとされ

七崎観音のご出現もまた同等に遡る

天長元年(824)とされ

当地遷座は承和元年(834)とされ

時代区分でいうと平安初期にあたります。

 

古代仏教についての

先学の膨大な研究成果の力も借りながら

当山の諸縁起について検討することは

有意義であることは言うまでもないですし

当山当地の次代の方々に

竪横な手法のあり方を

示唆することにもつながると思います。

 

話が専門的になりつつあるので本稿は

語りの一端を担い

その拡散に一役かったのは

ヒジリたちだったとして

結ばせていただきます。