本堂建替へ④ お寺の意義を問う

当山では

本堂の老朽化に伴い

本堂建替がなされることと

なりました。

 

本堂建替は

歴史的大事業です。

 

この歴史的大事業は

お寺の意義を問うもの

でもあると思います。

 

昨今は

少子高齢化社会である

ことに加え

経済状況も難しく

社会状況の変化が

著しい時代です。

 

さらには様々な価値観に

触れる事が容易に出来る

時代でもあります。

 

このような状況の中で

傷んだ本堂を新築するために

檀信徒の皆様はじめ

有縁の方々に御浄財を

御寄進頂くことは

とても難しいことで

あろうと思っております。

 

そこで問われるのが

「お寺の意義」であろうと

強く感じております。

 

本堂は

お寺の中でも特別なもので

それ自体に深い意味が

託されております。

 

また当山の場合は

檀信徒の皆様はじめ

多くの有縁の方により

護持(ごじ)されてきた

お寺でもあります。

 

昨今では

「葬式仏教」という言葉が

象徴するように

多くの方がお寺と関わる機会の

大部分が葬儀などの弔事です。

 

極端にいえば

「お葬式や法事の時にだけ

お世話になる所」という方が

多い時代です。

 

本来的に

御布施・御寄進とは

心を託し心を捧げることです。

 

納得して本堂建替に

お向き合い頂けるか。

 

ご賛同頂いて本堂建替に

お向き合い頂けるか。

 

心の伴わない

事業となってしまえば

仏道の本義にそうものでは

なくなってしまいます。

 

歴史的大事業であるゆえに

仏道としての本義に則った

ものにしたいという

強いおもいがあります。

 

本義に則ったものに

するためには

安心して御寄進を

お納め頂く体制や

しっかりとした計画が

欠かせません。

 

心を託すに値する

事業であるのか。

 

心を託すに値する

お寺であるのか。

 

将来的なことも含め

色々とお考えになられた方が

多いだろうと推察しております。

 

当事業について

役員の皆様と検討を重ねた際も

「もうお寺は必要ないという

考えを持つ方が若年層を中心に

増えていると考えられるので

色々と覚悟しなければ

ならないのではないか」

とおっしゃられた役員さんが

いらっしゃいました。

 

その場にいた

誰もが共感しましたし

関係者の皆様と共に

覚悟をもって

事業推進にあたっております。


【勧募浄財御寄進のお願い】

本堂建替にあたり

御寄進のお願いを申し上げます。

 

御浄財の多寡を問わず

御志納者のお心通った御浄財として

ありがたく拝受させて頂きます。

 

ご協力の程

何卒お願い申し上げます。


※詳細は下記に記載してございます。

 

▼建替えの趣旨とご協力のお願い

普賢院本堂建替趣意書

 

▼本堂建替基本計画

普賢院本堂建替基本計画

 

▼本堂現況報告資料

普賢院本堂現況報告写真資料

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余白を活かす

拙僧(副住職)は正直な所

字が上手くありません。

 

特にペン字は

下手です。

 

習字は習っていた事もあり

「ド下手」とまではいきませんが

それなりに整えて

塔婆や位牌をしたためております。

 

先月、愛媛県の松山市を

訪れた時に

浄明院の御住職に

大筆を使って

畳一枚程の紙に字を

書かせて頂く機会を

頂戴しました。

 

浄明院の

森脇宥暢(もりわき ゆうちょう)

御住職は長年書道に

励まれていらっしゃいます。

 

大きな法要を終え

一段落していた折

「ちょっと書いてみませんか」

ということになり

御住職の書道のお部屋へ

入らせて頂きました。

 

拙僧(副住職)は

自利利他(じりりた)と

書かせて頂きましたが

大きな筆でしたためることは

非常に難しく

思ったような字には

なりませんでした。

 

上手く墨がのらず

筆先も操りきれず。

 

3枚程挑戦させて頂きましたが

自身の力不足を痛感しました。

 

御住職も

実践して下さいましたが

実力差はまさに“月とすっぽん”。

 

御住職は

書について色々とお話下さいましたが

最も印象的だったのは

「余白を活かす」という

お言葉でした。

 

確かに拙僧(副住職)の

したためた「自利利他」の

「利」と「他」は

中央部分が込み入って

余白の大部分が

墨で染められておりました。

 

写真はありませんが

御住職がしたためられた

「自利利他」は

余白が活かされることで

字そのものが際立つように

字をくずしながら

整えられておりました。

 

「余白を活かす」。

 

とても心に

残ったフレーズです。

 

自坊へ戻り

中国の写本などに

目を通してみると

確かに「余白が活かされ」て

いるように感じました。

 

「書は体を表す」

「書は人なり」

といわれます。

 

自身のおもいが

通うような書を

したためられるように

なりたいものです。

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新緑と写経とカフェと

寺子屋ワークショップ

『写経カフェ』が

5/25に開催されました。

 

暖かな日が

続いていた中で

気温がグンと下がった

1日であったため

霧がかっておりましたが

かえって境内は趣が

あったように思います。

 

沢山の方にご参加頂き

和やかな会となりました。

 

今回は“出来たて”の

般若心経の経本を

早速使わせて頂き

ご参加の皆様に

お使い頂きました。

 

写経カフェでは

浄写して頂く前に

般若心経を皆様とご一緒に

お唱えしておりますが

経本をお使い頂いたこともあり

いつもにも増して

“修行感”があったように思います。

 

季節をイメージして

ブレンドして頂いた

爽やかな香りで一杯の会場に

流れる静かな時間の中で

皆様は写経を通じて

ご自身とごゆるりと

向き合われながら

一文字一文字を

綴られていらっしゃいました。

 

本日のカフェメニューは

東ティモールのコーヒーと

ルイボスティーと

抹茶とクリームチーズのマフィン。

 

写経修行の後は

フェアトレード製品で

ひとやすみして頂きました。

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お寺の会議

5/24は

真言宗豊山派

東北宗務支所の総会が

八戸市にて開催されました。

 

要するに同地域の

同宗派のお寺による会議です。

 

拙僧(副住職)は

監査役を仰せつかっているので

監査もさせて頂きました。

 

真言宗豊山派の寺院は

全国に約3000ヶ寺弱

あるそうですが

当山の所属する

東北支所として括られる

地域には12ヶ寺しか

ありません。

 

東北支所とは

青森県、岩手県

秋田県、宮城県の

4県の同宗派の寺院で

構成されております。

 

青森県が5ヶ寺

岩手県が5ヶ寺

秋田県が1ヶ寺

宮城県も1ヶ寺です。

 

山形県と福島県は

豊山派のお寺が多数あり

それぞれの県で

複数の支所があります。

 

複数の県にまたがり

かつ少数のお寺で

構成される支所は

東北支所だけです。

 

その分

同支所の御寺院様方との

親交が深いように感じております。

 

今回の総会でも

有意義な話し合いが

なされました。

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尊い笑顔を胸に

本堂隣りにある建物は

2階が位牌堂で

1階には客殿があります。

 

1階は

お通夜の式場

お斎の会場

講習会場など

様々に用立てております。

 

この建物が落慶されたのは

平成13年6月です。

 

建設にあたり

平成8年に建設委員会が

立ち上げられ

建設委員長を中心に

落慶に至るまでの

“陣頭指揮”を

執って頂きました。

 

当時

建設委員長を勤められた

当山の元副総代長の葬儀が

5/23午前11時より

当山にて執り行われました。

 

いつもにこやかで

人望が厚く懐の深い

素晴らしい方でした。

 

沢山の思い出が

鮮やかに蘇ります。

 

お酒が入ると

赤らんだお顔に

白い歯をのぞかせて

浮かべられいた

万遍の笑みは忘れられません。

 

笑顔をもって

人の心を和ませるような

他者との接し方を

和顔施(わがんせ)といい

尊い施しの行いとされます。

 

常に分け隔てなく

和顔施でもって

人と向き合われた

慈悲深い方だったと感じます。

 

故人様の笑顔は

仏の道に通じる

微笑みであったと感じます。

 

情熱を注いでお守り頂いた

当山をこれからも

有縁の方とご一緒に

守らせて頂くことを

改めて誓わせて頂きながら

謹んで導師として

お勤めさせて頂きました。

 

南無大師遍照金剛

合掌

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伝統の色 和色

緑が映えるこの時季に

ふと感じたことがあります。

 

「緑色」を表現する

日本語はどれ位あるのだろうか。

 

拙僧(副住職)は

大学時代に人類学という学問を

専攻しておりました。

 

イヌイット語には

「雪」を表す言葉が

数十種類も存在しており

それは生活に雪が深く関わっている

ことが関係しております。

 

そのような過去の記憶と

豊かな緑の光景が

あいまって

ふとわいた疑問でした。

 

色の和名は

伝統ある言葉が多く

和歌などにも用いられて来た

ものが多く存在します。

 

調べてみると

想像以上に名前のついている

「緑色」が沢山ありました。

 

拙僧(副住職)は

イヌイット語を

使われる方のように

数十種類の「緑色」を

言葉巧みに表現している

わけではありませんが

多数の「緑色」を身近に

感じられる環境にあるので

なるほど〜という

緑色の和名が

沢山ありました。

 

大和言葉が指し示す

様々な色の世界。

 

下記サイトに様々な和色が

紹介されておりますので

興味のある方は

覗いてみて下さい。

____________

▼日本の色について

http://irocore.com/category/green/

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願いを織り込む

5/20に当山にて

ヘンプアクセサリー

お守りワークショップ

が開催されました。

 

ヘンプとは麻(あさ)のことで

麻紐を編み込んで

作られたアクセサリーが

ヘンプアクセサリーです。

 

ワークショップでは

丁寧に手編みのお守りを

作成されていらっしゃいました。

 

当山は会場提供を

させて頂きましたが

ワークショップご参加の

皆様より国際協力活動への

御寄付を賜りました。

 

また「チャリティお守り」として

手作りの

ヘンプアクセサリーのお守りを

お預かりしました。

 

チャリティお守りは

1つ500円にてお渡しさせて頂き

その売り上げを全て

アーユス仏教国際協力ネットワークへ

寄付させて頂きます。

 

お心遣いに

とても感謝しております。

 

講師の渡邊梓衣さん

ご参加の皆様

大変ありがとうございました。

 

▼講師・渡邊梓衣さんブログ

http://lineblog.me/sea_watanabe/

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▼チャリティお守り

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第一番札所 寺下観音

糠部三十三観音霊場

第1番札所

寺下観音(てらしたかんのん)

 

自然に囲まれ

清流のせせらぎが聞こえる

静寂な境内。

 

第1番札所の観音様は階上町の

潮山(うしおやま)神社境内の

観音堂にお祀りされます。

 

こちらの観音様の由緒は古く

行基(ぎょうき)菩薩の創作と

伝えられます。

 

観音堂へは

階段をのぼり

仁王門をくぐるとたどり着きます。

 

観音堂前には

西国三十三観音霊場の

観音様もお祀りされております。

 

ちなみに

当山の本山である

奈良県桜井市の長谷寺は

西国霊場の第8番札所です。

 

寺下観音は

いつ訪れても

しばらく時間を

過ごしたくなるような

心持ちになる素晴らしい札所です。

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地域仏教の時代

これからは

「地域仏教の時代」であると

ある勉強会で耳にしました。

 

地域の課題は

地域でしか解決できない

ものが多いものです。

 

地域の課題の解決に

お寺はどのように

関わることができ

どのような形で

貢献できるのかを

常々考えさせられます。

 

分野を超えた連携をもって

住みやすい環境を整えることが

社会の急務であることは

論を待たないことでしょう。

 

お寺を取り巻く環境は

地域によって異なります。

 

同じ市内であっても

お寺が異なれば

その環境も驚く程

異なっております。

 

しかし

向き合う時代は同じです。

 

同時代に

同地域において

各所有縁の方々と接して

いらっしゃる

市内の他寺院様との

さらなる連携も

今後必要になろうかと考えます。

 

5/15は

夕刻より八戸グランドホテルにて

八戸仏教会の定例総会が

開催されました。

 

八戸仏教会は市内41ヶ寺より

構成される宗派を超えた

お寺の会です。

 

同じ時代との向き合い方は

各御寺院様にて様々です。

 

それだけに

他寺院様との交流は

とても良い学びになります。

 

今回の定例会では

事業報告や決算報告の後

函館市仏教会との交流を

今後進めていくとの

お話がありました。

 

新幹線が北海道にまで延び

一層近い地域となったことで

図られた交流だそうです。

 

地域間の交流は

とても良いことだと思います。

 

個人的な考えを述べれば

地域の仏教会において

研鑽を深める様な機会が

充実すれば仏教会自体が

活気づくように感じます。

 

宗派の垣根を超えた

地域の仏教会において

それぞれのお寺に資する様な

学びの機会は

「地域創生」へのヒントと

なるのではと思います。

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般若心経の経本を作成しました

当山の名前入りの

般若心経の経本が

出来上がりました。

 

これまで当山で

季節の法要の際などに

使用して頂いておりました

経本よりも

字が大きく見やすいもの

となっております。

 

また、堅い紙で

表裏の表紙が

表装されていない分

手軽に扱って頂ける

経本となっております。

 

経本裏面には

当山の寺院名を印刷し

中面には

当山本尊・愛染明王の

御真言(ごしんごん)を

印刷して仕上げて頂きました。

 

有縁の方にお役立て頂ければ

至極幸いです。

 

写経カフェなどの

寺子屋でも役立てて

まいりたいと思います。

 

本堂や客殿など各所に

置いておきますので

経本が御入用の方は

ご自由にお取り下さい。

 

お寺にお声掛け頂いても

構いません。

 

多くの方に

お使い頂ければと

思いますので

謹んでお知らせいたします。


 

▼表紙

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▼旧来の経本(左)と新経本(右)

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▼字が大きくなりした(右)

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▼中面(左)と裏表紙(右)

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