様々なご縁のカタチについて

様々なご縁のカタチ

今回は

現在の普賢院における

様々な「ご縁のカタチ」について

整理してみたいと思います。

 

以前にも当ブログにて

何度か触れておりますし

ここ最近では

ポータルサイト「まいてら」に

普賢院のページを用意するために

再整理を試みました▼

 ポータルサイト「まいてら」はコチラ

 

本稿では

まいてらで作成したものを踏まえて

各項に補足説明を加えたいと思います。

 

目次
  1. 様々なご縁のカタチの概観
  2. 檀家(だんか)
  3. 信徒(しんと)
  4. おてらサポーター
  5. ご詠歌の会 会員
  6. その他

1.様々なご縁のカタチの概観

現行の「運営体制」において

ご縁のカタチを大まかにいえば

①檀家(だんか)

②信徒(しんと)

③おてらサポーター

④ご詠歌の会 会員

の4つの項目をあげることが出来ます。

 

この区分は大雑把なもので

実態を正確に説明するには

不十分なものといえますが

主だったものとして

この4項目について

本稿では述べさせていただきます。

 

4項目について

「まいてら」の会員タブにて

図示させていただいてりますので

その資料画像を

以下に添付いたします。

 

▼ポータルサイト「まいてら」掲載の案内図

 

 

 

2.檀家(だんか)

まずは

最もご縁深く

お寺の歩みを

ご一緒いただく「檀家」

について取り上げます。

 

檀信徒(だんしんと)という言葉は

檀家・檀徒と信徒を

総称するものとなります。

 

檀家・檀徒の「檀」は

サンスクリット語「ダーナ(dana)」

の音訳「檀那」から来ています。

 

ダーナ(dana、檀那)は

布施(ふせ)を意味します。

 

今回は詳述出来ませんが

布施には様々な意味があり

財施(ざいせ):金品などによる施し

法施(ほうせ):「法」による施し

といったものに加え

無財の七施

  1. 眼施(げんせ):優しい眼差し
  2. 和顔悦色施(わがんえっしきせ):穏やかでにこやかな顔
  3. 言辞施(げんじせ):励ましの言葉
  4. 心施(しんせ):慈しみの心
  5. 身施(しんせ):親身な態度
  6. 坐床施(ざしょうせ):座る場所や休む場所
  7. 房舎施(ぼうしゃせ):心地よい空間

という心の通った施しが

挙げられます。

 

お寺にお納めいただく諸浄財は

布施の教えが通わされているものと

普賢院では捉えております。

 

お心託されたご浄財を

お納めいただく

檀家・檀徒さん方のために

お寺を預かる住職としては

普賢院の護持に尽くして

祈りの空間を整え続けることと

日々精進と研鑽を重ね

有縁の皆様にお仕えするという

姿勢を大切にしております。

 

当山では寺院規則上

位牌堂に位牌壇をご用意いただいた方を

「檀家」としております。

 

このことは

普賢院における供養の中心が

位牌供養であることとも関係しています。

 

位牌堂の位牌壇は

ご用意いただくにあたり

1壇30万円を

冥加料(みょうがりょう)として

お納めいただいております。

 

壇内に設える

位牌や仏具は

各家にてご用意下さい。

 

普賢院の位牌堂の特徴は

壇の大きさが全て同じである点です。

 

当山では令和4年5月6日時点で

空いている位牌壇が40となっていますので

ご用意をご検討の方は

お早めにご相談下さい。

 

“不幸事”があってから

位牌壇をご用意いただくよりも

あらかじめご用意いただいた方が

よろしいかと思います。

 

いざという時になってから

全てを一気に準備しようとすると

色々と大変な場合が多いです。

 

当山に限らず

時間をかけられるのであれば

細かなことについての

説明に耳を傾けていただいて

ひとつひとつ確認しながら

判断を下していただければと思います。

 

話しを戻しまして

位牌堂に納められた位牌は

お寺が永代にわたり

守らせていただき

ご供養させていただくものになります。

 

昨今の社会状況も踏まえ

個別の位牌壇に

位牌を安置する形だけでなく

今後は合祀スペースに

位牌を安置いただけるようにいたします。

 

この件については

新本堂完成後に

合祀スペースを整えた後に

改めてご案内出来るように

させていただきます。

 

檀家・檀徒さん方には

毎年運営費として4,000円を

年頭にご納入いただいております。

 

世話人さんがいらっしゃる地域では

年頭に決算報告書や寺報といった

書類を配布していただいておりまして

その際に

運営費の徴収もさせていただいております。

 

郵送でお知らせを

送らせていただいている場合は

振込用紙を同封して

それを使ってお振込いただきます。

 

檀家・檀徒の皆様には

令和4年秋に完成する

合葬墓(がっそうぼ)を

お使いいただけます。

 

合葬墓のご使用については

納骨される方お一人についての

冥加料の目安を

設けさせていただきます。

 

この件については

先日もブログにて

触れておりますので

詳しくはそちらをご参照ください▼

寺壇関係と合葬墓についての記事

 

お寺は行政上

宗教法人という法人格を持っており

普賢院の場合

代表役員を住職が務め

責任役員を総代長と副総代長が

務めることとなっています。

 

役員(世話人)は

檀家・檀徒さんにより構成されており

その中から

総代さんが選出され

総代さんの中から

総代長と副総代長が選出されております。

 

檀家という言葉に

檀徒という言葉も併記して

本項では述べてきましたが

檀家は家を単位とした言葉で

檀徒は個人を単位とした言葉です。

 

変化の著しい昨今において

家単位ではない

個人単位でのご縁というあり方が

増加傾向にあるがゆえの表記です。

 

要するに

様々なご事情があるということです。

 

諸事において

臨機応変かつ柔軟に

向き合わせていただいております。

 

普賢院は

とても古いお寺で

永きに渡って

多くの方のお力添えにより

守り継がれ

祈り継がれてきました。

 

檀家・檀徒さんは

ご供養を菩提寺である普賢院に

託されているという意味合いが

強いともいえますが

それのみならず

悠久の昔からの流れを受け継いで

さらに紡ぎ続けていく歩みを

ご一緒いただいているともいえます。

 

3.信徒(しんと)

檀家・檀徒と呼ばれる方以外で

普賢院に葬儀、法事、祈祷などを

ご依頼される方は

寺院規則上「信徒」

と呼ばれます。

 

これは

日常的に用いる呼称ではなく

あくまでも規則上の呼び方です。

 

普賢院では

檀家・檀徒さん以外の方でも

各種法務のご相談があれば

ご一緒させていただいております。

 

そういったご縁のあり方を

表現する言葉のひとつが

「信徒」であるといえると思います。

 

菩提寺を持たないため

葬儀や法事などを

ご相談される場合もありますし

他に菩提寺がある場合でも

ご供養をお願いされる場合もあります。

 

ご祈祷については

檀家・檀徒であるか否かは

あまり関係ない部分ということもあり

年々ご依頼が増えているように思います。

 

このようなご縁のあり方は

ここ数年増加傾向にありますし

今後もますます増えるのではないかと

推測しております。

 

普賢院は

檀家・檀徒さんに支えられる

檀家寺(だんかでら)であると同時に

祈願寺(きがんでら)として

寺檀関係のみにとどまらず

祈りが捧げられてきたという

歴史的経緯があります。

 

そのようなお寺の性格は

現在も受け継がれており

これからも変わることはないと思いますし

普賢院の特徴と言えるかと思います。

 

4.おてらサポーター

年に何回か

境内・堂内の清掃を

お手伝いいただける方を

おてらサポーターとして

募集しております。

 

令和2年からはコロナ禍のため

おてらサポーターの皆さんに

おいでいただく機会を設けておりませんが

徐々に再開させていただきたいと思います。

 

境内にしても堂内にしても

お寺の者だけで清掃するのでは

とても手が足りず

悩まされておりました。

 

おてらサポーターの皆様とは

ご縁を深めさせていただきつつ

境内・堂内を

掃き清めて拭き清めさせて

いただきたいと思います。

 

5.ご詠歌の会 会員

ご詠歌の会は

「ご詠歌講」ともいいます。

 

ご詠歌の会は

2011年より始まったもので

ご参加の皆様には

年会費2,000円

講習費(お茶代として)毎回500を

納めていただいておりました。

 

ご詠歌の会は

コロナ禍のため

2020年3月より休止状態です。

 

様子を見て

再開する予定ではありますが

まだ目処は立っておりません。

 

6.その他

すべてのご縁のあり方を

文字に起こすのは至難の業ゆえ

大まかなものを

紹介してまいりました。

 

その他として

各種催事へのご参加であったり

各種取り組みへのご協力などが

あげられるかと思います。

 

たとえば

写経カフェやお寺ヨガなどの

寺子屋ワークショップは

これまで実に多くの方に

ご参加いただいておりますし

それを契機に

現在も親しくさせていただいている方は

大勢いらっしゃいます。

 

 

以上

様々なご縁のカタチ

について概観してまいりました。

 

まだ整理が不十分ではありますが

普賢院の現状について

本稿の内容で

大まかに把握することは可能かと思います。

 

ご不明な点等ございましたら

お気軽にお問い合わせ下さい。

普賢院の寺檀関係と合葬墓について

普賢院の

供養の形式において

中心となるのは位牌です。

 

特に

位牌堂に祀られる位牌が

大切なものとしております。

 

▼位牌堂の詳細はコチラ

位牌堂について

 

普賢院では

位牌堂に位牌壇を

ご用意いただいたお家の方を

檀家さんとして

ご縁を結ばせていただいております。

 

これまでは

個別に位牌壇をご用意いただく形が

普賢院における寺檀関係の

主要なものでしたが

昨今の社会状況や変化も踏まえ

今後は位牌を合祀するスペースを整えて

そちらに位牌をご用意いただく形で

檀家さんとして

歩みを共にしていただけるように

したいと考えております。

 

位牌堂に祀られる

各家あるいは各人の位牌は

お寺が永代にわたり

ご供養するものとなります。

 

位牌壇をお持ちでなくとも

葬儀や法事などの

諸儀式をご依頼される場合も

多くありますが

そのようなご縁の方は

寺院規則上は

「信徒(しんと)」と呼ばれます。

 

細かなことですが

「檀家」は家を単位とした呼び方で

個人単位では檀徒(だんと)といいます。

 

檀信徒(だんしんと)

という言葉がありますが

これは檀家・檀徒と信徒さんを

一言であらわすものです。

 

さて

ここからは

今秋完成する合葬墓の話題も

交えて記させていただきます。

 

普賢院の合葬墓は

檀家さん

または檀徒さんが

使用いただけるものという

方針をとらせていただきます。

 

合葬墓の使用にあたっては

合葬墓の意味合いや

普賢院の供養形式について

説明させていただき

諸事項の確認を終えたうえで

同意書をご提出いただき

使用許可証をお受け取りいただく

という流れをイメージしております。

 

合葬墓は

檀家さん檀徒さんが

お使いいただけるということは

言い方を変えると

檀家さん檀徒さんになっていただくと

合葬墓をお使いいただける

ということになります。

 

このような形にした理由を

端的にいえば

普賢院の供養の形式を

きちんと遵守させて

いただきたい

ということに尽きます。

 

このことが

「安心」につながるものと

考えております。

 

先にも触れましたが

位牌堂に祀られる位牌は

永代にわたって供養されるもので

普賢院においては

ご供養の中心となるものです。

 

合葬墓のご使用を

ご検討の方であったり

ご相談をいただく方の多くは

永代供養を

ご希望されている傾向があります。

 

法式(供養の形式など)を

重んじるべきだと

拙僧泰峻は考えております。

 

永代にわたる供養を担うにあたり

丁寧なご供養をさせていただけるよう

形式をきちんと整えることに

ご協力いただきたいと

住職としては願います。

 

さらに

合葬墓建立の経緯を振り返りますと

当山有縁の皆様の

絶大なるお力添えによる

本堂建替事業の一環として

合葬墓も建立出来るに至ったわけなので

まずは檀家さん檀徒さん方に

お使いいただきやすいようにしたい

という思いもあります。

 

すでに

檀家さん檀徒さんとして

ご一緒に歩ませていただいている方で

合葬墓をご使用される場合には

所定の段取りの後

使用にあたっての

冥加料(みょうがりょう)を

お納めいただきまして

使用許可証をお渡しいたします。

 

檀家さん檀徒さんとして

今後ご縁をお結びいただける方は

位牌堂の使用にあたる

冥加料をお納めいただきまして

さらに合葬墓を

ご使用される場合は

合葬墓の手続きをしていただきます。

 

普賢院位牌堂の位牌壇の空きは

令和4年5月4日時点で40となっていますので

ご用意の予定がある方は

お早めにご相談いただければと思います。

 

今後整える

位牌の合祀スペースは

ただいま仮観音堂として

使用している祭壇となります。

 

位牌堂の位牌合祀スペースを

ご使用の場合の冥加料も

位牌壇ご使用の場合と

同じにする予定です。

 

合葬墓使用における冥加料は

まだ決定してはおりませんが

お一人30万円を「目安」とする案で

今後話し合いをする予定でおります。

 

法式に関連してですが

毎年5月の開山忌(かいさいんき)

という行事にて

合葬墓に納められる方々の供養を

重ねさせていただきます。

 

開山忌(かいさんき)とは

いわば歴代住職のご法事で

普賢院を開創開山された

圓鏡(えんきょう)上人の

ご命日が5月15日なので

5月に行っております。

 

開山忌はお寺において

重要な意味を持つ行事ですし

お寺が続く限り伴うものといえます。

 

そういった重要な行事に

合葬墓供養も行うのであれば

「永代にわたって供養する」ことを

一つの具体的な形で

説明出来ると思い至りました。

 

開山忌については

合葬墓供養のほかに

会津斗南藩縁故者供養と

戦没者供養もあわせて

行わせていただく予定です。

 

まとまりに欠けてはおりますが

本日は位牌堂と合葬墓のことを

中心に書かせていただきました。

 

丁寧な供養をさせていただくにも

普賢院がこれまで大切にしてきた

法式を時代に即応させつつも

本質は踏まえさせていただきたいと思います。

 

▼位牌堂位牌壇

 

▼合葬墓イメージ図

心に寄り添う形

お墓を建立したくても

建立することが出来ないので

どうしたら良いか。

 

地元のお墓を“墓じまい”を

相談したい。

 

色々なご相談が

寄せられております。

 

本堂建替事業の開始が

将来のことを真剣に考える

契機となった方も

いらっしゃいました。

 

当山では合葬墓(がっそうぼ)の

建立を予定しております。

 

何年も前から

用意する必要を感じておりましたが

数年以内には建立したいと思います。

 

現段階での構想ですが

本堂裏にスペースを確保し

仏像を安置した形のお墓を

建立するつもりでおります。

 

昨今では色々な形の

永代供養墓や合葬墓が

あるようですが

当山の場合は

大規模なものではなく

“お墓らしい”合葬墓を

建立したいと考えております。

 

本堂裏の墓地スペースは

限りがありますが

そこに建立するとなれば

歴代住職の墓のすぐそばに

建立することとなります。

 

お寺とのご縁を感じていただきながら

合葬墓にお参りいただけるのよう

検討しております。

 

まだまだ詰めなければならない段階ですが

多くの方の心に寄り添えるものに

したいと切に願っております。

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手引の必要性

ご供養について

まとまった資料を

作って欲しいという

ご要望がありました。

 

拙僧(副住職)も

かねてより

「ご供養の手引」の

必要性を感じておりました。

 

お寺にいつお参りすれば良いのか?

法事では何を準備すれば良いのか?

お布施はどのように考えれば良いのか?

などなどご供養の際には

様々な疑問がわくものです。

 

特に初めて“仏様を持つ”方は

不安や心配が多いのが

現実かと思います。

 

つい先日のお弔いの際にも

手引のようなものがあると

非常に助かるというご意見を

頂いたので早速制作に

とりかかろうかと思います。

 

当山の行事や地域の慣習など

スッキリとまとまった資料に

仕上げたいと思います。

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戒名と御布施について

仏事において

最も多く寄せられるご質問は

戒名(法名)と御布施についてです。

 

この戒名であれば

どれ位の御布施を

お渡しすればよいですか?

 

この問いには

明確な金額を伴う答えは

ありません。

 

実際の所では位号(いごう)と

言われる部分を1つの基準として

納める御布施を

決められる方が

多いようですが

本質的な意味からすれば

微妙な所です。

 

お寺によっては

戒名料という形で

御布施とは別に御浄財を

お納め頂いたり

戒名別に御布施の目安を

定めている所もあります。

 

それらは多くの場合

お寺の運営や護持において

採用されている方法なので

本質的にどうこうという話とは

少し異なります。

 

話がそれましたが

位号(いごう)とは

孩児(がいじ)、孩女(がいにょ)

童子(どうじ)、童女(どうにょ)

信士(しんじ)、信女(しんにょ)

居士(こじ)、大姉(だいし)など

戒名(法名)の最後に添えられる

部分のことです。

 

次のような

ご要望もよく耳にします。

 

御布施の額に失礼があっては

ならないので戒名は

居士や大姉ではなく

信士や信女でお願いします。

 

こういったご要望は

珍しいことではありませんし

お気持ちも分かります。

 

しかし当山において

歴代住職が守り伝えてきた

志や姿勢からすれば

こういったご要望通りに

戒名を調整することは

出来かねます。

 

戒名は商品ではありません。

 

しかるべき戒名を

しかるべき方に

お授けさせて頂いております。

 

そもそも戒名は

位号によって

良いとか悪いとか

位が高い低いなどという

次元のものではありません。

 

仏弟子として

悠久の昔より受け継がれる

尊いお諭しである戒律を

正式に授かり

御教え(法)を担う者である

あかしが戒名(法名)です。

 

葬儀における戒名(法名)は

その方の歩みを讃えるものであり

現世的ものさし

金銭的ものさしにより

左右されるものではありません。

 

尊い命を授かり

立派に尽くされ

生涯を全うされた方の

お弔いに際し

御布施の事をはじめ

金銭的な不安を要因に

“違和感のある戒名”を

授けることは感心しません。

 

信士の戒名が”安い・平凡”

居士の戒名が”高い・偉い”など

いう考えは間違いです。

 

そういった「目」でもって

多くの戒名を見ることは

これまでに戒名を授かった方に

対しても大変に失礼なことです。

 

お気持ちは良く分かるのですが

僧侶としては

この点をしっかりと

お伝えしなければなりません。

 

有縁の方々に

儀式を執り行って頂き

お心をお運び頂き

新たな歩みの志を

お捧げすることこそが

最も大切です。

 

葬儀や仏事は

お弔いであると同時に

今を生きる方々の

心の修養の場でもあるのです。

 

それが本義であり

その部分がないがしろにされれば

古い祈りの形を受け継ぎ

諸々の作法をなすことを許された

僧侶が儀式を執り行う必要は

ないように感じます。

 

葬儀や法事のみが

ご供養ではありません。

 

それらはご供養の節目であり

自身ともお向き合い頂く

尊い機会です。

 

金額の価値は

尊い命の価値ではありません。

 

お金の価値は

相対的なものであり

日々刻々激しく変化しうるものですが

命の尊さははかり知れないものです。

 

尊い命の歩みを

讃えるものである戒名を

そのような「金額としての御布施」で

もって向き合うようなことは

仏道にはそぐいません。

 

どのように御布施を納めるか

明確に提示して頂きたいという

お声も寄せられますが

それでは御布施の本来の意味が

失われてしまいます。

 

時間の経過の中で

故人をお偲び頂きながら

どうするかをお考え頂いて

思いを通わせて頂いた上で

御布施をお納め頂きたく存じます。

 

先にも触れましたが

お気持ちは痛いほど

良く分かるのです。

 

当山では本義にのっとり

謹んで全ての儀式を

“全力で”執り行っております。

 

命に優劣がないゆえに

お弔いの儀式そのものにも

差別はありません。

 

有縁の方には

是非ともご理解頂きたい次第です。

 

▼【参考拙稿】お葬式について

https://fugenin643.com/blog/道を示すお葬式/

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お寺の日常

お寺の和尚さんは

日々をどのように

過ごしているのかを

よく尋ねられます。

 

寄せられる質問での

「日々」とは

法事や葬儀等の儀式関係以外の

時間を指します。

 

端的に言えば

「人それぞれ」です。

 

「お寺によって」ではなく

「人によって」異なると

断言できるかと思います。

 

最近の拙僧(副住職)の場合は

事務か作務(さむ)の

いずれかに勤しんでおります。

 

事務にしても作務にしても

その作業量は1人で

こなすには膨大です。

 

事務に関していえば

本堂建替事業の会計事務も

加わり毎日“おなかいっぱい”です。

 

作務に関していえば

広い境内・堂内の清掃は

1人で完遂するには“無謀”です。

 

あれこれと考えて

今後は有縁の方に

お力添えを頂きながら

日々を勤めなければならないと

感じております。

 

今は若さに頼って

何とか過ごしておりますが

いつまでも若いわけではないので

様々な心配が

つきまとっているのが

当山の現状です。

 

弱気になっていると感じられた方も

いらっしゃるかもしれませんが

拙僧(副住職)は正直に

そのように感じております。

 

ちなみに

お寺にも様々な会議や

研修会などが

多々ございます。

 

4月、5月は

各種会合が非常に多い時期です。

 

様々に慌ただしく

日々を過ごしておりますが

その分、学びも沢山ございます。

 

日々是修行。

 

前向きに

明日も精進いたします。

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ご祈願・ご祈祷とは?

ご祈願・ご祈祷について

よくご質問を頂きます。

 

ご祈願・ご祈祷は

願いの成就を祈るひとときであり

それとともに

願いの成就のために自身が歩みを進める

志を立てるひとときでもあります。

 

ただ単に

法要をすれば良いというものではありません。

 

当山では

観音堂にてご祈願・ご祈祷のお勤めを

厳修させて頂いております。

 

法要に臨まれるにあたり

どのような願いを捧げられるかを

お伺いさせて頂き

法話をさせて頂いた後に

ご参列の方と祈りの時間を

ご一緒させて頂いております。

 

ご祈願・ご祈祷について

ご質問等ございましたら

お気軽にお問い合わせ下さいませ。

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お経のおはなし〜意味が分からなくとも〜

お経の意味が分からずに

読経していても

きちんとご供養になりますか?

 

そのようなご質問を

頂いた事がございます。

 

結論から申しますと

尊いご供養となります。

 

伝えたい思いがあっても

言葉にできない思いも

あるものです。

 

いざ何かを

伝えようと思っても

適切な言葉が

見当たらなかったり

するものです。

 

伝えたいことがあっても

言葉にしきれないことも

よくあることです。

 

あえて言葉にせずに

思いを捧げることも

温かな心のやりとりです。

 

お経には

そういった一面もあります。

 

当然のことながら

お経や

一連の作法、儀式には

意味があります。

 

しかし

お経との向き合い方は

意味を紐解くだけでは

ありません。

 

意味が分からなくとも

ただひたすらに

“一心に”お経を唱えることにも

深い意味があるのです。

 

真言宗では

御宝号(ごほうごう)といって

南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)

という短い「お経」があります。

 

南無阿弥陀仏

南無妙法蓮華経

南無本師釈迦牟尼仏

など宗派毎に

それぞれの宗派を

代表する文言があります。

 

それぞれの文言には

記される文字が

意味する所のみならず

仏道のこころが全て

託されております。

 

皆様各々に

ゆかりのある

お唱え方に

ご自身のお声をのせて

「おもい」を奏でられては

いかがでしょうか。

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お寺の会計

平成28年度の

会計監査が行われました。

 

お寺も

法人格を持っておりますので

会計事務も

しっかりと行わなければ

なりません。

 

「お寺の会計」が

どのようになっているのかは

あまり知られていない所

かもしれません。

 

「お寺は税金と無関係」という

誤ったイメージを

お持ちの方も多いかと思います。

 

お寺は

非営利組織ですので

御布施やお賽銭などの

御浄財には

税金が課されません。

 

それらの御浄財は

住職などに入るのではなく

お寺に入れられます。

 

お寺から

住職や副住職へは

給与が出されますが

その給与には

一般企業と同様に

税金が課されます。

 

所得税

健康保険税

市県民税など

お寺の者も

納めさせて頂いております。

 

税金でいうと

境内地(けいだいち)における

固定資産税も

課されておりません。

 

「坊主丸儲け」という

“悪いイメージ”が

長年にわたり

巷に流布しているように

感じられますが

現実とはかけ離れたイメージです。

 

「経済的基盤」が

盤石に整っている

お寺は全国的にも

ほんの一部であり

大半は

お寺の維持管理で

目一杯です。

 

維持することができず

廃寺(はいじ)になる

お寺も多い昨今です。

 

お寺だけでは

祭祀を司る住職一家の

生計が立てられず

兼業せざるをえない方や

大きなお寺へお勤めされる方も

多数いらっしゃいます。

 

しっかりした会計事務が

求められるようになったのは

そう古い話ではありません。

 

当山においても

檀信徒の皆様から

毎年お納め頂いております

運営費の会計処理は

役員の会計担当の方々に

正確に処理して頂いておりましたが

それ以外の部分については

不十分に処理されておりました。

 

会計について

本格的に学ぶ機会も少なく

どのようにすればよいかも

分からないような状態で

帳簿をつけておりました。

 

時代の流れもあり

昨今ではお寺においても

高度な会計事務を

求められるようになりました。

 

それを受け

お寺の住職であり公認会計士も

務められる方の

ご指導を仰ぎ

「お寺の会計」について

学ばせて頂いたり

他のご寺院様に

相談させて頂いたりと

方々よりお力添えを頂戴しながら

会計を整えております。

 

会計という言葉を

用いると

どうしても「お金」の

印象が強くなってしまいますが

お寺に納められる「お金」は

御布施・御浄財であり

施主様方が託された

尊いものです。

 

それをきちんと

お守りし

護持運営に反映させることが

「お寺の会計」の意義なのだと

考えております。

soroban

 

 

 

“道を示す”お葬式

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宗派によって

お葬式の執り行い方は

異なりますが

当山にて執り行われる

お葬式は

引導(いんどう)を

お渡しすることが

肝要となります。

 

引導とは

「引き導く」ということであり

それと同時に

「引き導いて頂く」ということです。

 

「仏道の歩みを示すこと」であり

「仏道の歩みを示して頂く」こと

でもあります。

 

仏道とは

仏法(ぶっぽう)による歩み方です。

 

仏法とはみ教えのことであり

“安らぎ”に通じるものです。

 

仏道では

生きとし生けるものは

この上なく尊い命を授かっており

本来的に仏なのだと説きます。

 

しかし

本来的に仏ではあることは

その方の人生における

ありのままの全てが

清浄であることとは異なります。

 

仏とは何なのか

仏としての歩みとは何なのか

といったことが

儀式において

順次紐解かれます。

 

葬儀における

一連の儀式は

当然のことながら

それぞれに意味があり

作法をなしながら

進められます。

 

真言宗豊山派では

引導作法(いんどうさほう)という

師子相承(ししそうじょう)に

受け継がれる作法に則り

引導をお渡しします。

 

引導をお渡しするにあたり

戒名(法名)がお授けされます。

 

戒名とは

智慧と慈悲に

みちあふれた

“仏としての名”です。

 

戒名は

その方の人生に

仏道のみ教えが重ねられます。

 

戒名の「戒」は

戒律の「戒」です。

 

「戒」とは

安らぎ(悟り)を得るために

大切にすべき尊い心がけでもあります。

 

戒名とは

「戒」を授かった者という

意味でもあります。

 

戒名は

法名(ほうみょう)ともいいます。

 

法名とは

“み教え”を受け継ぐ仏弟子の名を

意味します。

 

戒名・法名は

「亡き方のお名前」という

意味ではありません。

 

これらは

連綿と受け継がれる

法灯(ほうとう)を

受け継ぐ者(仏弟子)

としての尊い御名です。

 


お葬式のみならず

ご供養は

「心を通わせる」ことが

とても大切です。

 

儀式をただやれば良い

というものではありません。

 

供養の「養」とは

生きる者が

心を養って頂くということ

でもあります。

 

ご供養のひとときに

託された様々なメッセージを

自身と照らし合わせ

自身の歩みに活かすことも

大切なことなのです。

 

自身の歩みに

仏法へ託された御心を

活かす道が

仏道です。

 

仏道としてのご供養。

 

お葬式

ご法事

季節の行事

様々な節目にあたり

それぞれの“道”が

言葉を超えて

私たちにも

示されております。

 

慈しみの御心で

そのひとときが

包まれているということを

感じて頂くことも

ご供養の

大切な形かと思います。

 

「心」の通った

ひとときに

「心」を感じて頂く

あたたかなご供養。

 

是非とも

心が通わされた

ご供養の誠を

お捧げ下さいませ。

 

▼当山本尊・愛染明王(中央)

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