岩手県大槌町に「風の電話」と呼ばれる電話ボックスがあります。
白いボックスの中には、ダイアル式の黒電話が置いてあります。
風の電話に、電話線は引かれていません。
「おもい」を伝える電話ボックスです。
受話器の向こうに肉声はありません。
風の電話では、大切な方との「こころの対話」がなされます。
風の電話は、大切な方と過ごす空間です。
「おもい」を伝えるということ。
ありのままの「おもい」をありのままに伝えるということ。
風の電話は、「おもい」をありのままに伝えることで、大切な方とつながることが出来る空間です。
風の電話は絵本にもなっております。
「あえなくなったひとに、じぶんのおもいをつたえると、かならずそのひとにとどく」と言われる電話の物語。
「おもい」を伝える形は実に様々です。
お寺も「おもい」を伝える場の1つかと思います。
法事、葬儀などの仏事も「おもい」を伝える場であろうかと思います。
仏事の形式はとても大切です。
そこには深く尊い意味が託されているのですから。
しかし、最も大切なのは「おもい」を伝える事、通わせる事です。
「おもい」を通して、大切な方とつながるということ。
それは色あせる事の無い尊いご縁を大切にすることでもあります。
仏道では心のあり方を大切に考えます。
心のあり方は、行いのあり方、言動のあり方と一体であると考えるからです。
つながりやご縁を感じる事は、心の安らぎに通じます。
これは仏事の本来的な意味を考える上でとても大切なことです。
大切な方に何を伝えたいですか?
大切な方と何を話したいですか?
大切な方とどこに行きたいですか?
大切な方に何を食べて頂きたいですか?
「おもい」を伝えるということ。
「こころの対話」をするということ。
皆様は大切な方に、どのように「おもい」を伝えますか?
※風の電話について:森の図書館HP