南祖祭のご案内

12月9日に

南祖祭(なんそさい)を行います。

 

南祖祭とは

十和田湖伝説の南祖坊で有名な

南祖法師(なんそほっし)に

祈りを捧げるひとときです。

 

法要と法話を行います。

 

南祖法師は

当山第2世・月法律師(がっぽうりっし)の

弟子とされます。

 

当山にはそのお像である

南祖法師尊像(なんそほっしそんぞう)が

祀られています。

 

また本年春に

南祖法師の御影(みえい、お姿の意)の軸を

新調いたしました。

 

今回の南祖祭では

御影軸の開眼も行います。

 

ご参列の方には

法要の途中で内陣にお入りいただき

御影軸と南祖法師尊像に

お参りいただきたいと思います。

 

 

南祖祭〜伝説に思いをはせつつ祈りを捧ぐ〜

日程 2023年12月9日

内容 法要と法話

時間 法要15時〜(受付は14時30分〜)終了後、法話【終了は16時頃】

会費 お気持ちの程、お布施としてお納め下さい。

会場 普賢院本堂

※申込は不要です。

 

法話は

「南祖法師の物語に見る仏道アラカルト」

と題して行わせていただきます。

 

十和田湖伝説は

現在も様々に語られていますが

仏道の観点からの紐解きは

管見する限り見られません。

 

仏教的解釈の試みをしようとしても

仏教学や真言学といった超専門的な

教相(きょうそう)と事相(じそう)に

通じていなければ

なかなか難しいのが実際だと感じます。

 

史料・資料を読み解くだけでは

なかなか浮かび上がってこない

躍動的な部分の照射は

仏道的観点が必要です。

 

そのような観点により

再検討してみることは

これまでとは違った角度から

光を当てることなので

新鮮な印象を

抱いていただけるように思います。

 

ちょっと余談ですが

ここ数年で

当山が所蔵する

文書や仏像などについての情報が

“大幅にアップデート”され

以前まで分からなかったことが

多く判明しています。

 

そういったことにも

触れながら今後は

様々な機会に

発信したいと考えています。

 

仏道は歩み方です。

 

では

十和田湖伝説が宿す「光」は

どのように歩み方を

照らしてくれるのでしょうか?

 

そんなことを

南祖法師ゆかりのお寺の住職として

さらには法燈を継承する

傳燈大阿闍梨として

お伝えすることが

役目のひとつと捉えています。

 

拙僧泰峻は現在

真言宗豊山派総合研究院

現代教化研究所常勤研究員という

お役目も預る身でもあるので

一研究者という立場からも

述べさせていただきたいと思います。

 

当日は時間の関係上

多くを語ることは難しいでしょうが

その一端をお伝え出来ればと思います。

 

伝説に思いをはせながら

祈りを捧げるひととき南祖祭。

 

どなた様もご参加いただけるので

ご都合のよろしい方

ご興味をお持ちの方は

ぜひご一緒くださいませ。

 

絵本の作画でたどる物語

以前作成した

絵本『龍になったおしょうさま』の

作画を配列した動画を用意しました。

 

この絵本は

有志で結成した「かたり部(ぶ)」で

作成いたしました。

 

かたり部の

本年の新たな取り組みとして

『龍になったおしょうさま』

デジタルアート版の作品を

制作してまいります。

 

それに関連して

絵本の素敵な作画に

焦点をあてたムービーを作りました。

 

改めて見返すと

優しくぬくもりの感じられる

在家渓静さんの作画は

素晴らしいと感じます。

 

この素敵な作画で

当山に伝わる十和田湖伝説を

たどっていただければ幸いです。

 

かたり部の新作を制作しました

当山にまつわる物語や歴史を

語り継ぎたいとの思いから

有志で発足した

普賢院かたり部(ぶ)。

 

当山に伝わる

十和田湖伝説の写本を原作に

一昨年クラウドファンディングで

絵本『龍になったおしょうさま』を

制作いたしました。

 

それに先立って

えほん動画を公開したのですが

そういえばコロナ禍により

リモートでの会合しか

出来ない時期だったため

当時出来る形で

取り組みを進める方針にしたのが

とても懐かしく感じられます。

 

前置きが長くなりそうなので

振り返りはここまでにして

本題に入らせていただきます。

 

かたり部の新作として

「龍になったおしょうさま」の

絵のテイストを変えた

「Nanso-Boy」を制作しました。

 

内容は全く同じですが

絵(画像)が違うだけで

全く違う物語のように感じられ

とても新鮮な感覚です。

 

デジタルアートの要素を盛り込み

物語に沿った形での画像を

作ってみたのですが

思ったよりも良い具合に整いました。

 

今後のお披露目については検討中ですが

インスタグラムとフェイスブックで

月に2〜3回程のペースで

1枚ずつアップして

絵本の文言は投稿記事として

掲載してみようと考えています。

 

絵(画像)のボリュームとしては

絵本と同程度なので

約20枚程あります。

 

なので

数ヶ月にわたって

物語をご一緒に

なぞらえていただければと思います。

 

それ以外にも

形にしていきたいと考えているのですが

チームで検討しながら

進めたいと思います。

 

 

▼えほん動画「龍になったおしょうさま」

南祖法師の掛軸を制作・奉納します

以前から構想していたのですが

南祖法師(なんそほっし)の

御影(みえい)と宝号(ほうごう)が

したためられた掛軸を

制作して奉納させていただくことにしました。

 

普賢院は

十和田湖伝説ゆかりの寺院で

伝説の主人公である

僧侶・南祖法師(坊)が

修行したと伝えられます。

 

その僧侶の御像・南祖法師尊像が

本堂内のお堂スペースに

祀られております。

 

南祖法師にまつわる

行事を重ねていくにあたり

御影の掛軸を用意したいとの思いを

かなり以前から抱いておりまして

準備を進めてきたのですが

あとは軸装していただくのみという

段階にまで至りました。

 

様々な願いを込めて

奉納させていただきます。

 

本年6月に予定している

南祖祭(なんそさい)は

南祖法師の掛軸を設えて

法要や催事を行いたいと思います。

 

 

十和田湖青龍大権現碑が建立されました

本堂裏手にある

境内墓地の一隅に

十和田湖青龍大権現碑が

建立されました。

 

こちらは

根城の番地石材店さんが

ご奉納くださったものです。

 

当山は

南祖坊(なんそのぼう)として

当地で知られる僧侶

南祖法師(なんそほっし)が

修行したと伝えられます。

 

南祖法師は

全国を行脚したのちに

十和田湖に結縁(けちえん)し

十和田湖の龍神である

青龍大権現となったと

伝説では伝えられます。

 

そのようなご縁もあり

十和田湖の方に

手を合わせられるよう位置取りをして

十和田湖青龍大権現碑を

建立していただきました。

 

当山をご参詣の際は

本堂内の南祖堂とあわせて

こちらの青龍大権現碑も

お参りいただき

十和田湖伝説に思いを

はせていただければと思います。

 

 

▼本堂内の南祖堂

 

▼夜のライトアップのテストをしてみました。

 

とても幻想的です。

素晴らしい記念誌になりそうです

本堂建設にあたり

ご協力いただいた有縁の皆様へ

記念品としてお渡しする

記念誌の作成に

取り組んでまいりましたが

何とか最終決定稿に至り

入稿することが出来ました。

 

制作は

昨年クラウドファンディングで

絵本『龍になったおしょうさま』を

手掛けさせていただいた

チーム「かたり部(ぶ)」で

取り組ませていただきました。

 

便壇灌頂(びんだんかんじょう)や

法務(葬儀や法事や祈祷)や

彼岸や引っ越しと

バタバタしている中で

10月上旬がタイムリミットという

かなり限られた時間内での

制作作業でしたが

頼もしい仲間に支えられ

入稿することが出来ました。

 

本堂落慶という

歴史的節目の記念誌として

お喜びいただけるものが

出来たのではないかと思います。

 

この度の

本堂建替事業は

当山に祀られる

仏像や仏具の由緒を再確認する

機会であると同時に

当山が所蔵する

棟札(むなふだ)や版木(はんぎ)

古次第を含む古文書などを

総整理することが出来た

尊い機会でもありました。

 

これらのことは

大変大きな意義あることでして

ある意味“歴史的大発見”になったことや

巷で伝えられてきた

いわば“定説”が

書き換えられるような

確認がなされたりですとか

誤って流布されている情報が

やはり誤植であることの

裏付けとなることの

確認がなされたりですとか

とにかく意味ある機会となりました。

 

そういったことも踏まえて

記念誌が作成されており

過去帳も含めた当山所蔵の諸史料の

内容を反映した形で

大まかな由緒の紹介にも

触れられておりますので

有縁の皆様には

当山・当地とのご縁を

一層お深めいただけるものと

期待しております。

 

有縁の皆様

ご寄進下さった皆様には

12月の落慶式の際に

お渡しいたしますので

もうしばらくお待ち下さい。

 

記念誌のお渡しに関してですが

原則として

当山にてお受け取りいただきたく存じます。

 

県外など遠方にお住まいの方には

郵送にてお届けしますが

圧倒的に市内近辺に

お住まいの方が多いため

原則としては

落慶式にてお受け取りか

落慶式以後に当山にて

お受け取りとさせて

いただきたいと考えております。

 

新たな本堂を

実際にご覧いただきたいという

思いもありますし

追加工事などが発生して

予算的に厳しい部分もあるという

会計的な理由も

少なからずございます。

 

11月中頃に

12月11日の本葬・晋山式のご案内と

12月12日の本堂落慶式のご案内を

有縁の皆様にお届けいたしますが

その際に返信ハガキを同封いたします。

 

返信ハガキには

両日の行事への出欠と

住所・氏名をお書きいただき

ご返信いただきたく存じます。

 

ご案内にも記載しますが

遠方にお住まいの方で

記念誌の郵送をご希望の場合は

その返信ハガキの余白に

その旨を

ご記入いただこうと考えております。

 

ちなみにですが

記念誌の作成を終え

これから

本葬・晋山式と本堂落慶式の

ご案内などの諸書類の

作成に取り掛かります。

 

これまで

述べさせていただいたことを

体裁を整えつつ

文字にしていく所です。

 

それと同時並行で

各日の当日用の

パンフレットの作成も

そろそろ取り掛かりたいと

考えております。

 

頑張ります!

 

なお

本記念誌は

本堂落慶記念として

ご協力下さった有縁の皆様へ

贈呈されるものゆえ

一般頒布の予定はございませんので

ご了承願います。

 

 

勧募浄財は引き続き受付中です

本堂建替事業では

多くの方のご協力のおかげで

目標としていた

本堂の建設が遂げられましたが

勧募金の受付を継続しておりますので

ご協力の程

よろしくお願い申し上げます。

 

勧募浄財ご納入口座(JAバンク)

八戸農協 上長(カミナガ)支店

口座番号 0024185

口座名 普賢院本堂建設委員会(フゲンインホンドウケンセツイインカイ)

 

檀信徒の方以外で

ご納入いただける方は

帳簿管理の都合上

お名前やご住所など

お伺いしたいので

fugenin643@gmail.com

にメールでご連絡願います。

十和田湖伝説をモチーフにした懸仏

少し前に

ご奉納された懸仏(かけぼとけ)。

 

この懸仏は

拙僧泰峻の弟子である

中野太陽さんの発願を契機に

ご縁が整い

造立・奉納されたものです。

 

本日、懸仏を仮本堂に安置して

太陽さんにご一緒いただき

祈りをお捧げいたしました。

 

その時の様子を

お伝えする動画を用意したので

ご覧いただけると幸いです。

 

南祖法師三尊の懸仏が奉納されました

拙僧泰峻の弟子である

中野太陽さんが願主となり

造立に至った

懸仏(かけぼとけ)が

本日普賢院に奉納されました。

 

この懸仏は

十和田湖と八郎潟と田沢湖の

龍神の物語である

三湖伝説をモチーフとしております。

 

普賢院は

十和田湖伝説ゆかりの寺院で

南祖法師が修行したとされ

様々な伝承に関わりがあります。

 

伝説に思いを馳せることが出来る

尊い空間を一層整えたいという

太陽さんの願いの形のひとつが

今回の懸仏といえると思います。

 

開眼(かいげん)は後日

太陽さんにもご一緒いただき

お勤めしたいと思います。

 

▼奉納された懸仏(かけぼとけ)

 

▼奉納願主の太陽さんと懸仏

 

▼南祖法師三尊

中央:南祖法師(なんそほっし)

左:龍王(りゅうおう)

右:龍女(りゅうじょ)

 

三湖伝説の懸仏が出来ました

現住職である拙僧泰峻の弟子である

中野太陽さんの発願により

三湖伝説をモチーフとした

龍王像と龍女像の造立のため

クラウドファンディング形式で

リターン(返礼品)を定め

勧募(ご寄付)のご協力を

お声がけした所

目標額を上回る善意を

お寄せいただきました。

 

太陽さんと相談しまして

余剰分のご浄財も

十和田湖伝説に関わるものに

つなげた方が良いだろうとの

結論に至りまして

懸仏(かけぼとけ)を

造ることにいたしました。

 

懸仏を制作するにあたり

必要な経費については

龍王龍女像造立に

お寄せいただいた

ご浄財の余剰金をあてることとし

不足分は拙僧泰峻が

寄付させていただくという形で

用立ていたしました。

 

その懸仏が

完成したとのご一報が入ったため

太陽さんに早速

弘前へお迎えに行っていただきました。

 

この懸仏は

お弟子さんである

太陽さんの尊い思いが

きっかけとなり

形となったものといえます。

 

懸仏は

出開帳(でがいちょう)で

用いられることの多い

形式でもあるので

関係各所に出開帳して

祈りを捧げるひとときを

ご一緒いただくということも

今後可能かと考えております。

 

仏像の修繕と造立を振り返る

平成29年より6年計画で

本格的に始動した本堂建替事業では

多くのご協力のおかげで

主要なお仏像の修繕や造立も

行うことが叶いました。

 

当山は歴史が古いということもあり

とても多くの由緒ある

お仏像がお祀りされており

“見どころ”でもあります。

 

振り返りの意味もあり

お仏像の修繕や造立について

以下に簡単にまとめてみました。

 

今回は紹介出来ませんが

ひとつひとつに

エピソードがあります。

 

色々な方の

切実な願いが込められているものもあり

これまでの経緯を振り返ることで

そういったお心と

また向き合わせていただいたように思います。

 

①本尊・愛染明王

  • 江戸期の当山本坊(宝珠盛岡山永福寺)住職・宥瑗(ゆうえん)により文化7年(1810)奉納
  • 故・哘啓造(さそうけいぞう)氏のご寄進により、この度修繕

 

 

②普賢菩薩

  • 造立年代不明
  • 昭和4年(1929)に修繕し彩色が改められるも、経年劣化が著しかったため、この度修繕
  • 新本堂では本尊脇侍(わきじ)として安置

 

 

③十一面観音三尊(長谷式)

  • 造立施主(匿名希望)のご寄進により作仏
  • 当山の本尊はもともと十一面観音とされる
  • 総本山長谷寺の本尊と同形式で作仏
  • 新本堂では本尊脇侍として安置

 

 

④本 七崎観音(もとならさきかんのん)

  • 明暦元年(1655)南部重直公により奉納
  • こちらの観音像の御前立ちが現在秘仏として祀られる七崎観音(ならさきかんのん、「現 七崎観音」)
  • 破損箇所が多く、各所傷みも激しかったため修繕
  • 新本堂では観音堂内殿に安置

 

 

⑤大日如来

  • 年代不明
  • 蓮台・光背がなかったため、新たに制作
  • 厨子を新調
  • 新本堂では観音堂脇祭壇に安置予定

 

 

⑥不動明王三尊

  • 年代不明
  • 近世の文書によると、江戸期は本尊愛染明王の脇侍として祀られていた
  • 全体的に焼け焦げていた(文化7年[1810]の火災によるもの)
  • 本体の大きさにあわせ台座・光背・持物を新調
  • 脇侍の二童子を新調
  • 新本堂では観音堂脇祭壇に安置

 

 

⑦不動明王

  • 年代不明
  • 近世の文書によると、江戸期は本尊愛染明王の脇侍として祀られていた
  • こちらも全体的に焼け焦げていた(文化7年[1810]の火災によるもの)
  • 本体の大きさにあわせ台座・光背・持物を新調
  • 新本堂では観音堂脇祭壇に安置

 

 

⑧聖徳太子

  • 年代不明
  • 鋳造仏
  • 台座がなく自立出来なかったため、台座を新調

 

 

⑨子安地蔵

  • おいらせ町の旧家より奉納された子安さま
  • 破損箇所が多かったため修繕

 

 

⑩地蔵菩薩

  • 年代不明
  • 仏像のお足元にホゾ穴があり、もともとは台座があったと思われるが本体のみ祀られ、自立出来ない状態だったため台座を新調

 

 

⑪仁王

  • 享保3年(1718)9月に津嶋弥十郎清春が奉納
  • 材質は青森ヒバ
  • 仁王門建替・仁王像修繕・台座新調