座敷わらし伝説の金田一温泉

座敷わらし伝説が伝わる

岩手県二戸市金田一。

 

調べ物がありまして

二戸方面に赴いた際に

緑風荘(りょくふうそう)に

立ち寄らせて頂きました。

 

緑風荘の資料によると

座敷わらし亀麿(かめまろ)は

6才位の姿をしており

目撃したり不思議な体験をした人は

大変な幸福に

恵まれると伝えられるそうです。

 

緑風荘には稲荷神社と亀麿神社が

敷地内に鎮座します。

 

亀麿は南北朝時代

南朝 後醍醐天皇に仕えていた

藤原(万里小路)藤房の子だそうです。

 

藤房が北朝の足利軍に追われ

現東京あきるの市に身を隠し

その道中に6才の亀麿は病のため

亡くなってしまうのですが

その際に

「末代まで家を守り続ける」と言い

その後守り神として

槐(えんじゅ)の間

現れるようになったと

言い伝えられているとのことです。

 

劇団四季で公演された

「ユタとふしぎな仲間たち」は

この金田一が舞台で

八戸出身の三浦哲郎氏の作品です。

 

ひとたび座敷わらしに

気に入られると

どこであろうと

会いに来てくれるとも

いわれるそうです。

 

この伝説には

切なる祈りが

込められているように思いました。

 

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七崎から盛岡へ移る永福寺

江戸時代の紀行家である

菅江真澄(すがえますみ)の

文化4年夏の紀行文である

『十曲湖』(とわだのうみ)で

当山の歴史について

触れられております。

 

『十曲湖』には以下のように

記されております。

 


 

森岡の盛岡寶山永福寺ハ

新儀の真言にて

大和の國

初瀬の小池坊の流れにて

むかしハ五戸の七崎よりうつせり

 

いまも永福寺村といひ

そこに観世音の堂あり

 

これを永福寺ともいへり

 


 

菅江真澄は

『十曲湖』の約20年前に

『委波氐迺夜麼(いわてのやま)』

という紀行文も著しており

そこでも十和田湖伝説を

紹介しております。

 

両著作を比較すると

『十曲湖』の情報量は格段に多く

広く情報を集めたことが

よく分かります。

 

引用文で盛岡永福寺に

触れておりますが

正確には盛岡永福寺の山号は

宝珠(ほうしゅ)盛岡山です。

 

「新儀」という部分も

正確には「新義」となります。

 

菅江真澄は

盛岡永福寺は

七崎(現在の豊崎)から移したと

伝えておりますが

これは当山で把握している

由緒と同内容となります。

 

つまり

盛岡に永福寺が改められることになり

普賢院が永福寺自坊として

旧地である七崎永福寺を

引き継ぐことになったわけです。

 

永福寺は三戸にも伽藍を構えます。

 

その三戸永福寺は

盛岡永福寺の建立にあたり

嶺松院(れいしょういん)が

永福寺自坊として引き継ぎます。

 

自坊というのは

いまでいう別院と

お考え頂ければ分かりやすいかと思います。

 

ちなみに自坊に対しての

盛岡永福寺は本坊という位置づけです。

 

菅江真澄はさらに続けて

七崎から盛岡へ永福寺が移った後の

今も永福寺村といい

永福寺村には観音堂があって

これを永福寺ともいうと

記しております。

 

現在も当山周辺の地名は

「永福寺」となっており

当山は現在普賢院という寺院名ですが

「永福寺」とも呼ばれております。

 

お寺の呼び名というのは様々で

現在の当山は

永福寺とも呼ばれれば

七崎のお寺さんとも呼ばれますし

七崎観音のお寺

十五番札所のお寺とも

南祖坊のお寺などなど

一様ではありません。

 

そういったことが

かつてもあったようで

観音堂もまた永福寺とも

呼ばれていたと

菅江真澄は伝えております。

 

この観音堂には

現在当山にお祀りされている

七崎観音がお祀りされておりました。

 

観音堂は七崎山 徳楽寺という

寺号を授かる程の

とても立派なものとなり

当山が別当寺をつとめておりました。

 

観音堂は明治になり

七崎神社になります。

 

そこに祀られていた

聖観音は現在

当山本堂内の観音堂に

七崎観音としてお祀りされております。

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▼七崎神社(旧 観音堂・七崎山徳楽寺)

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【参加者募集中】お寺でエンディングノートws

マンダラエンディングノート

ワークショップ

〜人生の地図を描く〜

が1月21日に開催されます。

 

法話を交えつつ

エンディングノートの

ファシリテーターである

ハーモニールイさんに

進行して頂きながら

ご自身とお向き合い頂く

ワークショップです。

 

毎回2つのテーマをとりあげ

マンダラエンディングノートを

書いて頂いております。

 

今回のテーマは

「相続・遺言」

「供養・法事・仏壇」です。

 

法話としては

いずれもが

お話してもお話し尽くせない程

多くに触れられるテーマだと感じます。

 

堅苦しい場ではないので

どなた様もお気軽にお運び下さい。

 

ご参加される方は

1月18日までに

ご連絡を下さいますよう

お願いいたします。

 

お申込み先などは

下記をご参照下さいませ。

https://fugenin643.com/blog/マンダラエンディングノートワークショップのお/

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写経カフェにいらっしゃいませんか?

1/24(木)午前10時より

寺子屋ワークショップ

写経カフェを開催いたします。

 

寺子屋ワークショップでは

ご参加される皆様に

お納め頂く御浄財の一部を

国際協力活動への寄付に

あてさせて頂いております。

 

写経にお励み頂くことが

そのまま国際協力にも重なります。

 

終了後はティータイムで

一息おつき頂きますが

その際の飲み物や食べ物も

フェアトレード製品を使用しております。

 

自利利他(じりりた)の

ひとときをご一緒頂ければと思います。

 

また本年より

ワークショップ毎に

寺子屋御朱印を用意いたします。

 

御朱印帳をお持ちの方は

お渡し頂ければ

写経中にしたためさせて頂きます。

 

どなた様でも

ご参加頂けますので

ご参加をご希望の方は

お気軽にお問い合わせ下さい。

 

皆様のご参加

心よりお待ちしております。

 

◎日程:平成31年1月24日

◎時間:午前10時〜正午頃

◎会費:1500円

◎持物:お寺で用意いたします

◎申込:普賢院

※担当者が不在の場合が多いので

なるべくメールでお願いいたします。

▶メール fugenin643@gmail.com

▶電話 0178-23-2135

 

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南祖坊伝説の諸相⑨ 来臨する南祖坊

当山は

南祖坊(なんそのぼう)という

僧侶が修行をしたと

伝えられるお寺です。

 

南祖坊とは

十和田山開祖とされ

十和田湖青龍大権現

(せいりゅうだいごんげん)

という十和田湖の龍神となった

とされる伝説の僧侶です。

 

『邦内郷村志』という書物の

十湾湖(十和田湖)の説明に

「又日」(またいわく)として

“南祖坊の来臨”について

紹介されております。

 

原文は漢文なので

意味を取りやすいように

書き下して引用し

それを意訳してみます。

 


【書き下し】

又日(またいわく)

永福寺に於いて

年々三月某日

御影供(みえく)今に至る。

 

南宗青龍神

道場に来格する

其の徴(しるし)

揭(かかげる)焉。

 

此の時に當たり

寺中厳(おごそ)かに

潔斎(けっさい)して

火を更(あらた)め

座を儲(もう)け

屏風(びょうぶ)を以て

其の四方を圍(かこ)み

卓を置き供物品々を備える。

 

香を炷(た)き

音聲(おんじょう)を禁じ

之を俟(ま)つ。

 

其の来去(らいこ)共

必ず風雨暴風發(おこ)る。

 

爰(ここ)を以て

其の時候を知ると云う。


【意訳】

永福寺では

弘法大師(3/21が“命日”)の

ご法事である

御影供(みえく)という法要が

今でも行われている。

 

南祖坊(青龍大権現)は

永福寺道場に来臨する時に

見られる“兆候”を

ここに掲げる。

 

南祖坊来臨に当たって

寺中の者は

精進潔斎を行い

灯明をあらため

座を用意し

その四方に屏風を立て

机に供物をはじめ設えを整える。

 

香を焚いて

音声を禁じて

南祖坊の来臨を待つ。

 

南祖坊が来臨する際も

お還りになる際も共に

必ず暴風雨となる。

 

暴風雨がおこることで

南祖坊が来たことを

承知すると言われる。


 

御影供(みえく)は

とても重要な法要で

弘法大師空海に捧げられます。

 

拙僧(副住職)は

真言宗豊山派の僧侶ですが

真言宗の僧籍を持つ

僧侶のことを

真言行者(しんごんぎょうじゃ)

ともいいます。

 

真言宗の僧侶は

行者ですので

修行ということを

とても重んじます。

 

修行すべきことは

究極的にはあらゆること

ということが出来るのですが

教相(きょうそう)

事相(じそう)という

両輪を深めることを

大切にいたします。

 

教相の修行とは

教学や教理などを

学び深めていくこと。

 

事相の修行とは

作法や法式などを

相承し体得し研鑽していくこと。

 

教相あっての事相であり

事相あっての教相なので

この両者は車の両輪に

喩えられます。

 

つまりはいずれもが

重要であるということです。

 

道場とは

そういった修行の場で

重要な場所なのです。

 

御影供(みえく)をはじめ

重要な儀式は様々ありますが

それらが厳修される場所も

道場といわれます。

 

尊い儀式には

それぞれの荘厳(しょうごん)や

設えが法式として

諸流伝えられておりますが

引用箇所に見られる

設えの簡単な記述についても

そういった作法に

紐づけた上で

具体的に再現出来るように思います。

 

また南祖坊の来去には

風雨暴風が必ず伴うと

記されております。

 

これは前回「伝説の諸相⑧」として

とりあげた南部利直公の伝説にも

見られるまさに諸相の一つです

https://fugenin643.com/blog/南祖坊伝説の諸相⑧/)。

 

今回引用した箇所だけでも

深めるべきことが多いのですが

その中でも真言宗における

具体的な儀式や作法との

結びつきが見られるという点は

伝説を考える上で

重要な意味を持つように思います。

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本年もよろしくお願いいたします

新年明けまして

おめでとうございます。

 

本年もよろしくお願いいたします。

 

現在の本堂での年越しは

最後になるかもしれないということで

大晦日の除夜の鐘は

108回撞かせて頂き

祈りを込めさせて頂きました。

 

その後は本堂にて

年頭祈祷法要を行いました。

 

大晦日も元日も天候に恵まれ

とても穏やかな年越しとなりました。

 

亥(いのしし)年ということで

猪突猛進の歩みを進めたいと思います。

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良いお年を

大晦日は

午後11時30分より

除夜の鐘を撞きます。

 

僧侶が撞いた後は

どなた様でもお撞き頂けます。

 

除夜の鐘を撞きましたら

元日午前0時より

本堂にて年頭祈祷法要を行います。

 

来る新年の隆昌を願い

お勤めいたします。

 

その際に

授与品(お札・お守・御朱印帳)の

御祈祷も行います。

 

年頭祈祷法要の後に

授与品は頒布いたします。

 

授与品の頒布は元日以降も

常時行いますので

入用の方はお声がけ下さい。

 

除夜の鐘をお撞きにいらした方

年頭祈祷法要にお参りされた方には

本堂にて温かな飲み物を

振る舞わせて頂きますので

お休み頂ければ幸いです。

 

甘酒

はちみつレモンティー

玉こんにゃくを用意したので

新年の“初一服”をして下さい。

 


 

本年は大変お世話になりました。

 

皆様

よいお年をお迎え下さい。

 

来年もよろしくお願いいたします。合掌

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無事に年を越せそうです

年末の準備も

ようやく終わりが

見えてまいりました。

 

正月に行われる

役員総会と新年会のご案内を

急いで作成して切手を貼って

ポストに投函して

来年正月に檀信徒の皆様に

お渡しする寺報と決算報告書を

もの凄い勢いで作成して

印刷の注文をして

正月飾りの準備をして

餅作りをして

元日の年頭祈祷法要で

お唱えする文言を作成して等々

目まぐるしい

12月30日となりましたが

ようやく年越しの準備が

調いそうです。

 

本年も沢山のご縁の中で

色々と学ばせて頂きました。

 

有縁の皆様

本年も大変お世話になりました。

 

拙僧(副住職)は

来年歳男(としおとこ)でもあるので

より実り多き一年となるよう

一層精進させて頂きたいと思います。

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本来の輝きを放つ

年末の大掃除二日目は

主要な仏器磨きを行いました。

 

本日もありがたいことに

お二方がお手伝いに

駆けつけて下さいまして

仏器を磨き上げることが出来ました。

 

殊に真言宗はとても多くの

仏器を用いるのですが

一見汚れていないように見えても

ピカール(研磨剤)で磨いてみると

使用している布が

真っ黒になるものです。

 

綺麗なように見えていても

実は汚れている仏器は

自身のあり方を

考えさせられるようだと

いつも感じさせられます。

 

汚れが拭き取られ

輝きを増した仏器の荘厳となり

心もスッキリしました。

 

本年も残す所あとわずかですが

年越しの準備の

ラストスパートをかけたいと思います。

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大掃除の功徳

本堂の大掃除を行いました。

 

御仏像のすす払いをして

内陣と観音堂に

納められている

机や香炉や燭台などを運び出し

掃き掃除をして

拭き掃除をして

運び出したものを拭いて

香炉の灰おろしをして

窓を拭いて

原状回復をしてと

みっちりと大掃除を

することが出来ました。

 

わざわざ駆けつけて下さった方も

いらっしゃり

おかげさまで

年越しの準備が大分進みました。

 

お手伝い下さった方々に

心より御礼申し上げます。

 

来年の秋以降に

本堂の本体工事に取り掛かる

可能性があるとのことでしたので

今回は入念に掃除をしようと思い

観音堂の内部も丁寧に

手入れをしておりましたら

祭壇内の大きな観音像の裏側に祀られる

十一面観音像に気が付きました。

 

観音堂の祭壇には

観音堂本尊である

七崎(ならさき)観音(聖観音)の他にも

様々お祀りされておりますが

十一面観音もお祀りされていることを

拙僧(副住職)は知りませんでした。

 

この十一面観音は

当山の本山である奈良県の長谷寺と

同型の観音像で

平成9年に奉納されたものだそうです。

 

実は最近

長谷寺式の十一面観音像を

何らかの記念事業として

造立して観音堂にお祀りして

当山有縁の皆様に

本山の本尊である十一面観音と

ご縁を結んで頂けるようにしたいと

強く願っていたのです。

 

観音堂の大掃除の「功徳」と

感じております。

 

現在観音堂にお祀りされている

南祖法師(南祖坊)尊像も

観音堂の仏像のすす払いをしている際に

“発見”したものなので

今回の十一面観音の件につきましても

不思議なご縁を感じます。

 

せっかくのご縁ということで

観音堂祭壇の御前立(おまえだち)として

改めてお祀りさせて頂きましたので

当山へお参りの際は

ご縁をお結び頂ければと思います。

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▼長谷寺式 十一面観音

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