本山でのひとときを懐かしむ

夏になると

本山での修行が

思い出されます。

 

僧侶の修行を

言い表す表現は様々ありますが

三学(さんがく)という

言葉がよく用いられます。

 

三学とは

戒(かい)

定(じょう)

慧(え)

の3つを指す言葉で

その筆頭に「戒」が

ある点が重要だと感じます。

 

戒というのは

分かりやすくいえば

「習慣」のことです。

 

戒律(かいりつ)という

言葉を聞いたことが

あると思いますが

戒と律は

厳密には意味が異なります。

 

戒は

習慣的かつ自発的なもので

律は

集団における規則といった

ものだと言えます。

 

戒は

自身を省みる

「心がけ」とも言えます。

 

戒の捉え方は

時代により変遷が見られますし

日本と東南アジアといった

地域によっても違いが見られます。

 

拙僧(副住職)が

精進させていただいた

本山での修行(加行)は

今思い出しても

とても厳しいものだったと感じます。

 

ですが

あの時の経験があったからこそ

僧侶として

変化の著しい現代を歩んでいく

“決意”のようなものを

強く抱くことが出来たと

個人的には捉えています。

 

その修行は

今から14年も前のことになります。

 

その時に

自身をきちんと省みる戒の

尊さを感じたのを覚えています。

 

「戒」を大切にしながら

「自利利他」に励む。

 

修行後の自身の拙い歩みを

改めて思い返してみると

「戒」を大切にしながら

「自利利他」に励む

ことを心がけてきたように思います。

 

そのようなことに

思いをはせつつ

夏休み中の子どもたちの

部屋の掃除をしたり

宿題をする一幕が。

 

戒は修行する

“環境を整える”という

意味合いもあります。

 

その意味でいえば

修行のことを思い返したことと

子どもたちのひとときは

つながりがあったとも

言えるかもしれません。