永福寺時代の木箱

ここ一ヶ月以上

大掛かりに境内建物の

掃除や整理を行なっています。

 

これは本堂建替のための

現本堂解体に向けた

準備を兼ねたものです。

 

当山は古いお寺で

文化7年(1810)に火災に

あってはいるものの

多くの古い仏像や仏具や文書を

所蔵しています。

 

ただでさえ

物が多いのに加え

歴史的に大切なものも多いため

時間をかけて作業しています。

 

隅々に手を入れる中で

拙僧(副住職)も初めて

目にするものや

知ることが多くありました。

 

例えば

当山がまだ永福寺と呼ばれていた

時代に使われていた

江戸期の木箱があります。

 

住職から話は聞いていましたが

現物を見たのは本日が初めてでした。

 

寶珠山(ほうしゅざん)という

永福寺時代の山号(さんごう)が

朱で記されており

歴史が感じられます。

 

当山は平安初期に開創され

鎌倉期〜江戸時代初期には

永福寺(えいふくじ)の寺号(じごう)が

用いられていました。

 

その歴史を今に伝える

貴重な宝物(ほうもつ)だと感じます。

 

この日々の先に

境内にタンポポやスイセンが

見られるようになりました。

 

本日は日中の気温が

20℃台にまで上がり

時折強い日差しも

感じられました。

 

所要で買い出しに行くと

外出自粛ということもあり

このGWの時期としては

信じられない程

人出があり

ませんでした。

 

不要不急の外出を控え

多くの方が

この事態を乗り越えるべく

日々を送られているということの

現れということが出来ると思います。

 

花は忍辱(にんにく)の象徴とされ

耐えるべきときに耐えた

その先に必ず「花」が咲き

「実」が結ばれることを

み教えとして託されています。

 

大変な状況が続いていますが

必ずこの日々の先に

「花」を咲かせましょう。

 

「花」が咲くその日まで

出来ることを

ひたすらに積み重ねたいと思います。

 

お別れをしたくとも

今月も葬儀が多い月となりました。

 

ウイルスのため

葬儀の形式が

ガラッと変わりましたが

この形式が今後の

新たな定番となるような

気がしています。

 

ウイルス感染を防ぐため

病院や福祉施設での

面会に制限がある昨今です。

 

老人ホームにご入居されている場合

葬儀への参列のために

外出することも

ウイルス感染予防の徹底のため

許可されないことが

ほとんどのようです。

 

ご夫婦で

市内の老人ホームに

ご入居されていた

ご夫婦がいらっしゃいました。

 

ある日の夜

奥様がお亡くなりになられました。

 

葬儀は市内の会館で

執り行うことになりましたが

旦那様の葬儀へのご参列は

老人ホームの関係もあり

控えざるを得ない状況でした。

 

しかし

旦那様のご心情を察するに

これはあまりに

むごいことだということで

その時の

葬儀屋さんの担当の方と

ご遺族の方々が

老人ホームに掛け合われて

儀式前に故人様を施設へ

お連れになられ

その場でのご対面が実現しました。

 

短い時間だったそうですが

その経緯と光景を

思い浮かべると

何とも言えない気持ちになります。

 

ウイルスの影響で

仕方ないことではありますが

一日も早く状況が落ち着くことを

ただただ願うばかりです。

 

ステイテンプルなひととき

本年もGWを迎えましたが

外出自粛をしなければならないため

色々とご苦労されている方が

多いかと思います。

 

当山も例にもれず

苦労が多い日々です。

 

とはいえ

出来ることも沢山あるので

前向きに色々と励んでいます。

 

例年ですと

この時季は法事が多い上

行事が目白押しですが

本年は行事が

ことごとく中止ということで

これまで以上に

家族で過ごすことが出来る時間の多い

GWとなりました。

 

そのような状況なので

本年のGWは

お寺で(ステイ テンプル)

家族みんなで出来ることを

なるべく行いたいと思います。

 

GWの“ステイ テンプル”な日々

第一弾としてアマビエを

みんなで描いてみました。

 

その様子を短い動画にしたので

よろしければご笑覧下さい。

 

▼アマビエを描く様子はコチラ(youtube)

https://www.youtube.com/watch?v=FG1o7TRfexQ

 

オンラインでのお勤めも承ります

昨今の状況を踏まえ

オンラインでの法要の

試験を始めております。

 

参列者なしでお勤めを行い

法要が終わった後で

施主さんがご都合の良い時間に

塔婆を取りに来て頂くという

形でのご供養は

これまでも行なっていましたが

ウイルス感染拡大防止に

最大限の注意を払わなければ

ならなくなった昨今なので

動画を駆使しての取り組みも

出来るように準備しています。

 

ライブ配信や

youtubeの限定公開

または動画をDVDにして郵送など

相談して対応させて頂こうと思います。

 

県外在住の有縁の方など

遠方にお住まいの方で

当山に塔婆を取りに来るのが

難しいという方については

塔婆は位牌堂に祀らせて頂きます。

 

ご祈祷についても

オンラインでの対応が可能です。

 

お布施等については

お勤め後に当山においでに

なられる方は通常通りに

お納め頂ければ結構ですが

そうでない方は

現金書留か銀行振込での

対応とさせて頂きます。

 

オンラインでの法要をご希望の方

いらっしゃいましたら

お気軽にご相談下さい。

 

約40年の時を感じながら

本堂内陣に掲げられていた

阿吽の龍の水墨画。

 

現本堂の解体に向けた

引越し作業を日々継続していますが

本日は龍の額を外しました。

 

40年以上もの間

掲げられていた額なので

線香のヤニで

大分黄ばんでいました。

 

額を外してみると

壁の布は40年以上前の色が

鮮やかにしっかりと

留められていました。

 

明確な色の違いは

それだけ様々な祈りが

捧げられてきた

ということでもあります。

 

外した額は

念入りに拭き清めました。

 

拭けば拭くほど

きれいになっていく

その様子は

とても爽快でした。

 

額を拭き上げる様子を

短い動画にまとめたので

よろしければご覧下さいませ。

 

▼動画はコチラ(youtube)

https://www.youtube.com/watch?v=xPkRoF9Dk-I&t=2s

 

▼before

▼after

花まつり法要をオンラインで

本年から

花まつりの行事を行うべく

仏具屋さんにお願いしていた

釈迦誕生仏と花御堂(はなみどう)が

本日届けられました。

 

花まつりとは

お釈迦様の誕生日を祝う行事です。

 

お釈迦様の誕生日は4/8とされますが

地域によっては月遅れで5/8に

行事が行われます。

 

花まつりの法要は

仏生会(ぶっしょうえ)

降誕会(ごうたんえ)

灌仏会(かんぶつえ)

とも呼ばれます。

 

当山では

5月に花まつりの法要と行事を

開催しようと考えておりました。

 

ちょうど連休にあたる時期に

にぎやかに開催出来ればと

考えていたのですが

感染拡大防止に

努めなければならない状況なので

本年はオンラインでの開催を

試みたいと思います。

 

ついでですが

本年6月に予定していた

南祖祭(なんそさい)も

オンラインでの開催を

予定しています。

 

南祖祭は

南祖坊(なんそのぼう)という

十和田湖伝説に登場する僧侶の行事です。

 

南祖坊は

当山2世の月法律師(がっぽうりっし)の

弟子として当山で修行したとされ

全国巡礼の旅の果てに

十和田湖の龍神である

青龍大権現(せいりゅうだいごんげん)に

なったとされる僧侶で

当山には南祖坊の御像である

南祖法師(なんそほっし)尊像が

祀られています。

 

出来る形で

祈りを捧げつつ

その行事に重ねられている

意味であったり背景などに

触れて頂ければと思います。

 

平安と平穏を願って

当山はかつて

南部藩祈願所・祈祷寺として

世の平安を祈り続けてきました。

 

現在に至っても

ご祈願・ご祈祷の伝統は

受け継がれています。

 

当山は

平安初期に開創されて以来

長い歴史のある古刹ですが

様々な状況において

様々な祈りが捧げられてきました。

 

“日曜大工”で

仏具の手入れと作成を

行なっていた流れで

一日も早く世界が平安になるよう

願いを切に込めて

祈祷札をこしらえました。

 

この祈祷札を設えさせて頂き

日々祈りを捧げさせて頂きます。

 

臨機応変に日々を大切にしております

県外にお住まいの有縁の方のみならず

市内近隣に在住の有縁の方の

ご法事の延期が相次いでいます。

 

とにかく現況では

外出を極力減らすことでしか

感染拡大を食い止められないので

今後にご法事のお約束を

している方でも

ご無理なさらないで下さい。

 

ご法事を行うにしても

マスクの着用や

ご参列の人数を少なくするなどの

ご協力をお願いいたします。

 

ご法事の延期や中止については

例え直前であったとしても

遠慮なくご相談下さい。

 

ご法事の延期や中止などで

捻出された時間は

境内や堂内の清掃や

本堂建替事業に

あてております。

 

ついこの前は

ふと出来た時間を使って

18年間使ってきたテーブルに

ヤスリをかけた後に

木工用みつろうでワックスがけをして

メンテナンスを行いました。

 

想像以上に

アンティークな雰囲気をまとった

素敵なテーブルに仕上がったので

よりよい“おもてなし”が

出来るかと思います。

 

このような感じで

当山では臨機応変に日々を

大切に送っております。

 

重ねてここに記させて頂きますが

特に県外の有縁の皆様におかれましては

ご法事の開催については

慎重にお考え頂ますようお願いいたします。