双極性障害(躁うつ病)と向き合う⑮

拙僧(副住職)の父でもある

当山住職は

双極性障害を患っております。

 

双極性障害という言葉自体

一般的に認知度が低く

中々理解されにくいものです。

 

躁(そう)うつ病

といった方が何となく

通りが良いようですが

それがどのようなものかは

認知されていないのが現実です。

 

この病気は脳疾患であり

躁(そう)=元気

うつ=元気でない

という簡単な話ではありません。

 

当山住職は

昨年夏頃より激しい躁(そう)状態です。

 

最近は

通院にて処方される薬との

相性が良いようで少しずつ

落ち着いて来たように思います。

 

躁(そう)状態では

社会的な常識は関係なく

横柄な態度になる

大きな声で話す

日中深夜関係なく知人にひたすら電話をかける

お金を沢山使うなどの

極端な症状が見られます。

 

夜中に家中に音を立てながら作業したり

毎日のように買い物したり

多額の費用のかかる工事を発注したり

飲みに出るようになったりと

家族も参る程の状況がしばらく続きました。

 

躁(そう)状態に見られる

散財について

今回は述べさせて頂きます。

 

拙僧(副住職)が

お寺の経理をしておりますが

躁(そう)状態の住職は

お寺関係のものも

独断で沢山購入する等

散財が激しい故に

かなり困っております。

 

当山は

経済的に恵まれているお寺ではなく

拙僧(副住職)が経理を

任せられて以来

会計科目を設定し

経費削減を意識して

有縁の皆様からお預かりしている

御浄財を守って参りました。

 

お寺の会計には

役員会で管理しているものが

いくつかありますが

そのうち特別会計のお金も

かなり使ってしまいました。

 

特別会計については

決算報告にあたり

かなり厳しく指摘されることと

なるかと思います。

 

本人は自分で説明すると

言っておりましたが

個々の出費についての

意味が問われているのではなく

問題は実際に経費として

落とされた過程にあります。

 

総代会の承認もなく

住職が独断で購入・発注したものが

住職とは別の責任役員の判断のみで

実際に特別会計の経費として

処理されていることが問題です。

 

責任役員の方も

住職の申し出を断れるわけもない

といった様子で

承認したと思われます。

 

決算された項目の

内容にも問題が多く

誰の目にも公私混同と

映りかねないものが

目立ちます。

 

それらは

躁(そう)状態が最も激しかった

昨年夏頃より秋にかけての

ものがほとんどです。

 

躁(そう)状態にあるとき

当人は幸福感に満ちており

自身が正しいと信じて疑わない

とのことです。

 

双極性障害は

社会的信用の喪失

家庭崩壊を招く可能性の大きい

リスクの高い病気とされます。

 

住職の社会的信用は

お寺の社会的信用にも

関わるものです。

 

お寺も組織であり

組織である以上は

健全な管理が求められます。

 

現在は

お寺といえども

全てが一個人の意思で

決定される時代ではありません。

 

お寺の会計は

「個人」と「お寺」が

明確に分けられ

多くの方が納められた

御浄財はきちんと守られ

適正に処理されなければなりません。

 

これを機会に

お寺の組織としての

管理体制を見直さなければ

ならないと感じます。

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