伝統に「思い」をのせて

全国的に通夜・葬儀は簡略化傾向にあります。

現代的な背景があることなので、簡略化そのものに善悪はありません。

大切なのは「思い」を通わせることです。

 

当地域には通夜で「数珠回し」(「百万遍」ともいいます)を行う伝統がありました。

念仏を唱えながら縁者の方々と大きな数珠を回し、祈りを捧げる儀式です。

 

昨日、久しぶりに通夜にて、数珠回しを行いました。

数珠回しは通夜読経の後に行われます。

「先に送った父と同じように母も弔いたい」との喪主様のご意向でした。

通夜読経では、導師が読経し、その中でご参列の皆様にはご焼香を頂きます。

数珠回しでは、導師が先達となり、ご参列の皆様が念仏を唱えながら数珠を回し祈りを捧げます。

 

伝統には伝統の尊さがあります。

伝統を守るためには、時代に即した“手直し”も必要であることはいうまでもありません。

各所で省略・簡略化が進み、本来の意味が薄れて形骸化が進みがちな昨今にあって、“伝統の温もり”を改めて教えて頂いた1日となりました。

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