本尊おとなりの普賢菩薩

本尊愛染明王に向かって

右側に祀られるのは

普賢菩薩(ふげんぼさつ)

という尊格です。

 

当山の普賢菩薩は

儀軌(ぎき)という

形式や方式がまとめられる

経典に見られる形相ではありません。

 

普賢菩薩として

祀られる尊格ですが

そのお姿は

菩薩形というより

弁財天や吉祥天といった

天部のお姿に近いように思います。

 

意図をもって

あえてこのような形相で

普賢菩薩を造仏した

可能性もあるのですが詳細は不明です。

 

とても柔らかな雰囲気の

素敵な尊格です。

 

以前は一部破損しており

全体的に塗料が剥げかかっていましたが

令和4年(2022)に修繕していただきました。

 

蓮を両手で執っており

その手にも印相(いんそう、意味のある手の形の意)

が見られるのが特徴のひとつです。

 

右手で蓮の茎の下方を執り

左手は頭指(ずし、人差し指の意)を立てて

残りの四指で蓮の茎を包むような形です。

 

右手は仏

左手は衆生を象徴することを踏まえると

この手の形に託された意味・願いが

浮かび上がってまいります。

 

この手の形や持物である蓮の形に

当山の普賢菩薩が宿す

本誓(ほんぜい)本願(ほんがん)の

一端を紐解く鍵があるといえます。

 

このことについては

機会を改めて

ご紹介してみたいと思います。