七五調の魅力

御詠歌(ごえいか)は

大和言葉(やまとことば)で

つづられた詩(歌詞)に

節をつけてお唱えされます。

 

五七五七七の

三十一文字(みそひともじ)の

和歌でお唱えするものを

詠歌(えいか)といいます。

 

七五調の詩で

お唱えするものを

和讃(わさん)といいます。

 

七五調というのは

「七文字と五文字」で

歌詞が編まれていて

2行で一節のものと

4行で一節にものがあります。

 

一般の歌謡で

一番の歌詞、二番の歌詞と

いいますが

御詠歌では

一節、二節といいます。

 

和讃の話に戻りますが

具体例として

釈迦如来成道和讃

(しゃかにょらいじょうどうわさん)

の一節を引用してみます。

 

清き流れの

尼連禅河(にれんぜんが)に

六年苦行の

身をすすぎ

やさし乙女の

ささげける

乳味の供養

うけましつ

 

字余りも含め

基本的に七文字・五文字の

テンポで歌われています。

 

御詠歌をお唱えする際は

これらの文字に節をつけ

鈴(れい)と鉦(しょう)の

鳴物も用いてお唱えするのですが

“素読”で読むことにも

ご功徳があるとされます。

 

素読で読んでみると

際立って感じられるのですが

七五調はテンポが

とても良いものです。

 

万葉の昔から

日本には和歌や詩の

伝統があるわけですが

七五調であったり

五七五七七の三十一文字という

「型」には奥深い

魅力があると感じます。

 

このような話題に

なぜ触れているかというと

数年前から取り組んでいる

当山に関する和讃・詠歌を

こしらえるにあたって

その魅力をあらためて

感じているからです。

 

七五調の和讃は

これまでの歴史や伝統

後世に託したい思いなどなど

多くのことを踏まえたうえで

ある意味“ダイジェスト”として

紡がれるわけですが

端的な内容で

さらにテンポが良いとくれば

とても有意義だと思うのです。

 

御詠歌の

端的かつ味わい深い歌詞の

魅力を改めて

確認させていただいたので

今後は「詩」そのものの

魅力についても

お伝え出来ればと考えています。