美しき八葉曼荼羅

地元の大工さんに

手伝っていただきながら

先代住職が自身で彫った

八葉曼荼羅(はちようまんだら)。

 

護摩壇(ごまだん)上方の

天井に設置されていたため

真っ黒にすすけていましたが

秋田の阿部正助商店さんが

クリーニングと修繕をして下さり

見事な仕上がりとなりました。

 

八葉曼荼羅とは

胎蔵曼荼羅(たいぞうまんだら)

という慈悲の側面から

描かれた曼荼羅の

中央部分のことを指し

根本的に重要な場所となります。

 

先代は梵文(ぼんぶん)の

研究者でもあったため

梵字(ぼんじ)をとても大切に

捉えておりました。

 

八葉曼荼羅に見られる梵字は

全て尊格(仏)を指します。

 

細かな説明は省きますが

梵字も尊格の形のひとつとされます。

 

中央の文字は

「ア」という文字の荘厳体で

「アーンク」と読み

大日如来を象徴しています。

 

周囲の花弁に配置された梵字は

宝幢如来(ほうとうにょらい)

開敷華王如来(かいふけおうにょらい)

無量寿如来(むりょうじゅにょらい)

天鼓雷音如来(てんこらいおんにょらい)

という四如来と

普賢菩薩(ふげんぼさつ)

文殊菩薩(もんじゅぼさつ)

観音菩薩(かんのんぼさつ)

弥勒菩薩(みろくぼさつ)

という四菩薩を象徴しています。

 

大日如来と周囲の四如来をあわせ

五智如来(ごちにょらい)といいます。

 

それにしても

よくもまあ

これだけのものを

“手作り”したものだと

感心させられます。

 

▼旧本堂解体前(2020年夏)

 

▼クリーニング後