秋の朝
露にまとわれた草木が
何とも綺麗です。
日が昇るにつれ消えてゆく朝露は
はかなさの喩えとして
和歌などで詠われます。
「心を詠う」伝統は
仏道においても大切なものです。
当山では葬儀の中で
諷誦文(ふじゅもん)というものを読みます。
諷誦文は
“旅立つ方”のお歩みを偲ぶとともに
尊い「仏」であることを
お示しさせて頂くものです。
諷誦文には大方の流れがあり
多くの場合冒頭は
諸行無常のはかなさを
それぞれの季節になぞらえた
書き出しとなります。
「心を詠う」伝統は
諷誦文にも通じております。
はかなさを詠うことは
はかなきことを嘆くのではなく
尊きことの強調です。
朝露のはかなさは
万人の歩みの尊さを
教えてくれていると捉えるのが
仏道の歩み方なのだと思います。