観音様という言葉で
一般的にも馴染みがある
観音菩薩(かんのんぼさつ)。
観音信仰の歴史は古く
坂上田村麿将軍も
篤く大切にされた尊格です。
当山本堂の
観音堂に祀られる観音様は
糠部三十三観音霊場
第15番札所の観音様です。
観音様は
三十三の姿をもつとされます。
三十三身の姿を現すというのは
妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五
というお経に記されており
このお経は『観音経(かんのんぎょう)』
とも通称されます。
三十三の姿は無限の慈悲を意味すると
お考え頂くと分かりやすいと思います。
ちなみに
その三十三の姿の中に
「龍」も記されているので
龍神にまつわる説話や伝説に
観音様はよく登場します。
龍のみならず
観音様にまつわる霊験譚や伝承は
挙げればきりがありません。
当山は十和田湖伝説とも
関わりのあるお寺です。
十和田湖伝説の大筋は
南祖坊(なんそのぼう)という僧侶が
十和田湖の主であった八之太郎に代わり
「神」として十和田湖の主となるという
物語です。
八之太郎は
大蛇や八頭龍として描かれております。
伝説なので
語られる場所や書物によって
細かな点や描写は
当然のことながら定まっておりませんが
仏教的要素を多分に
汲み取ることが出来ます。
南祖坊と八之太郎が向き合う場面で
南祖坊も大蛇となり
八之太郎と対峙したという
描かれ方をすることもありますし
九頭龍として八之太郎と対峙した
という描かれ方をすることもあります。
南祖坊が
「龍には龍の姿を以て」向き合う
この場面は観音経に記される
三十三身のくだりに通じているとも
言えるでしょう。
本堂内左手が観音堂となっております。
観音堂には観音様のみならず
十二支を司る八体仏(はったいぶつ)
お不動様
南祖法師尊像と
それぞれに様々ないわれのある
尊い御像が多く祀られております。
お立ち寄りの際は
是非お参り下さいませ。