当山のございます豊崎町は
歴史が古い地域で
様々な伝承に彩られております。
豊崎町は古くは
七崎(ならさき)といいますが
現在の豊崎町よりも
かなり広い地域だったようです。
様々な伝承のうち
有名なものとしては
南祖坊(なんそのぼう)伝説が
挙げられます。
南祖坊は当山の前身である
永福寺の弟子となり
諸国修行の果てに
十和田湖の龍神となったと
語られる方です。
この伝説発信の拠点は
七崎だったそうです。
当山より西側の方に
滝谷(たきや)という地域があり
当山と滝谷の間には
「南宗坊」という地名があります。
ちなみにですが
南祖坊には様々な表記があり
南蔵、難蔵、南宗坊など
何種類かございます。
当山の過去帳によると
先に触れた滝谷という地域も
かなり古い地域です。
滝谷には天満宮があり
こちらもかつては永福寺が
管理していたそうです。
この天満宮は
七崎より十和田方面へ
修行に向かう者が
立ち寄った場所と伝えられます。
南祖坊も立ち寄ったとの
伝承もあるそうです。
当山と滝谷の間には
南祖法師(なんそほっし)像が
お祀りされている所があります。
南祖法師(なんそほっし)とは
出家した南祖坊の尊称です。
この像は地元の篤信の方が
昭和9年に建立されたものだそうです。
伝承や伝説は
“文献学的な歴史”とは
似て非なるものです。
活き活きと語り伝えられてきた
伝説はその時代時代に
受け入れられ
今に至っております。
この地域に今も残る
伝承や伝説を“活き活き”と
後世に託していきたいと願います。