現在の十和田神社の草創には
2つのいわれがあります。
1つは坂上田村麿公による
創建であるという説。
もう1つは南祖坊(なんそのぼう)が
創建したという説です。
南祖坊は
十和田湖伝説に登場する僧侶で
当山にて修行されたと伝えらます。
十和田神社の境内は
実に緑豊かです。
十和田湖観光での
スポットの1つでもあるので
歩道が整えられているものの
かつて多くの修験者(しゅげんしゃ)が
修行に励まれていた場所である
ということを納得させられます。
本年夏に
当山にて南祖坊の御像が
南祖法師(なんそほっし)尊像として
改めて祀られたことにちなみ
十和田神社を訪れました。
十和田神社では
要所要所で
南祖坊の伝説に
触れることが出来ます。
十和田神社の本殿脇には
熊野権現社が鎮座しております。
熊野権現が南祖坊に
「鉄のわらじ」を授けた
という伝説の一幕にちなみ
熊野権現社には
わらじが奉納されております。
十和田神社の本殿から
登山道をしばらく進むと
南祖坊の石像が祀られる南祖堂に
たどり着きます。
すぐそばには
青龍大権現堂(せいりゅうだいごんげんどう)も
建てられております。
青龍大権現とは
“十和田湖の主神”としての
南祖坊です。
今では立入り禁止ですが
その場所から
ハシゴを下ると
占場(うらないば)
という場所があります。
この場所が
南祖坊の入定(にゅうじょう)の地
であると伝えられます。
伝説によると
南祖坊は
この場所に身を沈め
青龍大権現として
十和田湖の主となったとされます。
十和田湖伝説は
今に伝えられる
壮大な物語です。
仏教説話としても
捉えられる物語でもあります。
語り継がれる尊い物語を
当山でも
後世に伝えていければと思います。