十和田市にございます
市民交流プラザ トワーレにて
十和田湖伝説のセミナーが
開催されまして
拙僧(副住職)も語り手の
一人として行ってまいりました。
現在語られる所の伝説は
神話学でいう所の「昔話」の
色合いが濃いものと
なっておりますが
仏教的視点では
どのように語れるかについて
少しばかり
お話させて頂きました。
とても沢山の方が
ご参加されていらっしゃいまして
伝説が今もなお
多くの方の関心を
引いていると感じました。
十和田湖伝説については
ほとんど研究が
なされておりません。
山岳信仰や竜神信仰
観音信仰や神仏習合
“仏教的な”言葉を以て
説明がなされてはおりますが
印象としては
それぞれの言葉が
バラバラに分解され独立した形で
用いられており
その中に“祈りの要素”は
薄いように感じております。
伝説は歴史とは
似て非なるものです。
例えばお釈迦様や
弘法大師空海上人にまつわる
様々なお話が多々ありますが
これらはそれぞれ
「みおしえ」としての
意味があったり
意味を見いだせるもので
現実的にどうであるとか
歴史的にどうであるとか
といった次元の話に
留まりません。
十和田湖伝説について
宗教学や仏教学といった
“極”専門的な分野での
研究は事実上皆無といえます。
ですので
これまでの十和田湖関係の研究で
「仏教」「天台宗」「熊野系修験」
などの言葉が
実態をそれ程踏まえずに
安易に使われすぎていることが
一僧侶としては気がかりでした。
逆にいえば
それらの点を補うことが出来れば
より深みが増すように思います。
そんなことを感じながら
素敵な空間で
素敵な時間を
過ごさせて頂きました。