とある筆のお話

本年6月にご一緒させて頂いた

当山有縁の方の3回忌の際に

故人様の形見である筆を

お納め頂きました。

 

生前お寺とも

親しくお付き合い下さった

その方は書道を

たしなまれていらっしゃいました。

 

その方の葬儀を終え

お盆も過ぎた後に

拙僧(副住職)は

その方の夢を見ました。

 

市内のお宅の

仏壇前のテーブルにて

その方と衣姿の拙僧(副住職)が

お茶を飲みながら

色々とお話をしている

という夢でした。

 

和尚さんがお帰りになったら

私はここから帰るのですよと

仏壇を指しながらお話したり

ご自身のお葬式の際の

お話をしたり

ご家族のお話をしたりと

少し不思議な夢だったので

よく覚えています。

 

その夢で

おいとましようと玄関にて

雪駄に足を通した時に

「あ、そうそう」と

思い出したように

その方はお部屋に。

 

そして筆を手にされて戻られ

これを使って下さいと

拙僧(副住職)に

筆を渡されました。

 

そのような夢を見たということを

ご子息様にお伝えした所

思い当たる筆があるということで

3回忌の際に

ご持参下さいました。

 

拙僧(副住職)は

この筆をおろす機会を

心に決めております。

 

現在、当山では

本堂建替・境内整備に向け

事業を推進しております。

 

本堂建替・境内整備が終わると

慣例により境内に

六角塔婆というものを建立します。

 

その六角塔婆を

この筆を以てして

したためさせて頂こうと

心に決めております。

 

この筆をおろす日を

無事に迎えられるよう

しっかりと歩みを

進めて参ります。

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