十一面観音のお寺 恵光院

南部町にございます

蓮台山長谷寺観音

恵光院(けいこういん)にて

行われた開帳法要に

出仕してまいりました。

 

恵光院さまは

糠部(ぬかべ)三十三観音霊場

第22番札所でもあります。

 

こちらの本尊は

十一面観音です。

 

本堂にお祀りされる

本尊の十一面観音は

長谷寺式といわれ

当山や恵光院さまの本山でもある

奈良県桜井市の長谷寺と

同じ様式の十一面観音です。

 

長谷寺式十一面観音は

右手に錫杖を持つのが

大きな特徴です。

 

こちらのお寺様には

本堂のほかにも

境内に諸堂があります。

 

本堂横の参道を登ると

奥の院として観音堂があり

こちらにも十一面観音が

お祀りされております。

 

観音堂の十一面観音像は

平安時代のもので

県内では最古の仏像で

毎年8月20日に御開帳されます。

 

恵光院はかつて

長谷寺(はせでら)という寺院でした。

 

長谷寺は

盛岡永福寺が建立される際に

六供坊のひとつとして

盛岡に改められることになり

以後は恵光院として

このお山を引き継いでおります。

 

ちなみにですが

盛岡永福寺六供坊のうち

東坊(ひがしのぼう)は

普賢院だったとされます。

 

当山の前身である永福寺は当初

十一面観音を本尊として

七崎(現在の豊崎)に

建立されたと伝えられます。

 

そして南部氏により

三戸にも建立されますが

三戸永福寺を引き継いだ

嶺松院(れいしょういん)

(現在の早稲田観音)も

十一面観音をお祀りしております。

 

また現在盛岡にある

永福寺は「聖天の御山」とされますが

内々陣(ないないじん)の本尊は

十一面観音です。

 

十一面観音信仰は

奈良時代より盛んであったようです。

 

この古い時代から盛んであった

十一面観音信仰は

永福寺にまつわる歴史や信仰を

紐解く上では非常に重要なものだと

最近は痛感しております。

 

この十一面観音信仰は

十和田湖伝説とも関わりが見られます。

 

十和田湖伝説でいうと

例えば“最古の十和田湖伝説”が収録される

『三国伝記』(さんごくでんき)という

室町期の書物において

十一面観音との関わりを

多く指摘することが出来ます。

 

話がそれましたが

由緒ある十一面観音と

ご縁を深めさせて頂いた

法要となりました。

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