薬師如来のおはなし①

これまでも

何度かお伝えしたように

薬師如来を新たに

お迎えすることになりました。

 

当山には

位牌堂中央祭壇に

十三仏が祀られており

その中に薬師如来も

いらっしゃいますが

単独の尊格として

祭祀される薬師如来は

ございませんでした。

 

そのため

薬師如来について

当ブログで取り上げることは

稀でありましたので

何回かにわたり

紹介させていただきたと思います。

 

観音菩薩は「観音さま」

地蔵菩薩は「お地蔵様さま」

不動明王は「お不動さま」

と呼ばれるように

薬師如来も「お薬師さま」

と呼ばれ親しまれてきた尊格です。

 

薬師如来は

日光菩薩(にっこうぼさつ)

月光菩薩(がっこうぼさつ)

を脇侍(わきじ)としており

さらに

十二神将(じゅうにしんしょう)という

武神をしたがえるとされます。

 

薬師如来と日光菩薩・月光菩薩を

あわせて薬師三尊(やくしさんぞん)

と称します。

 

もともとは

薬師如来が祀られていた

お堂(薬師堂)が

明治以降神社になったケースが

日本国内で多数ありますが

日月(にちがつ)社という感じで

脇侍仏の名が残ったケースが

見られます。

 

十二神将については

経典により名称が異なりますが

参考までに玄奘訳の

『薬師瑠璃光如来本願功徳経』

(通称『薬師本願経』)

に記されるものを紹介します。

 

  1. 宮毘羅(くびら)
  2. 伐折羅(ばさら)
  3. 迷企羅(めきら)
  4. 安底羅(あんちら)
  5. 頞儞羅(あじら)
  6. 珊底羅(さんちら)
  7. 因達羅(いんだら)
  8. 波夷羅(はいら)
  9. 摩虎羅(まこら)
  10. 眞達羅(しんだら)
  11. 招杜羅(しょうとら)
  12. 毗羯羅(びから)

 

梵字の音写ゆえ

聞き慣れない音の並びであるだけでなく

迫力ある漢字の羅列と

感じられるかもしれません。

 

十二神将は

それぞれの体の色や持ち物

さらには本地仏(ほんじぶつ)も

経典に記されております。

 

日光・月光両菩薩と十二神将は

とてもインパクトの強い特徴ですが

薬師如来といえば

十二大願(じゅうにだいがん)という

十二の大悲誓願(だいひせいがん)が

とても重要な意味を持ちます。

 

次回は

十二大願について

紹介させていただきます。