双極性障害(躁うつ病)と向き合う④

双極性障害(そうきょくせいしょうがい)

躁(そう)状態と

うつ状態を

繰り返す

脳の病気です。

 

当山住職は

ここ5年

東京の慈恵医大に

通院し治療しております。

 

慈恵医大での

治療を開始する

きっかけは

うつ状態での

極度のアルコール摂取でした。

 

朝も昼も夜も

時間を問わず

お酒を飲むといった

状態が何年も

続いておりました。

 

各所に

お酒を隠しては

よく飲んでいました。

 

お寺に

供えられたお酒も

回収しては

飲んでいました。

 

住職は

糖尿病も持っていますが

とにかく

心身共に不健康な生活が

続いておりました。

 

拙僧(副住職)夫婦の

部屋にも忍び込み

お酒を探したりと

アルコール依存症

状態でした。

 

この1件は

副住職妻を

深く傷つけてしまいました。

 

家族、親族

とても困った状態でした。

 

あまりにも

状態が悪かったので

叔父の紹介で

東京の慈恵医大に

通院することになったのです。

 

躁(そう)状態と

うつ状態の落差は

非常に大きいものです。

 

「うつ→躁(そう)」は

“苦しみのどん底”から

解放されたような

幸福感に満たされるようです。

 

これまでも

ブログで記させて頂いたような

激しい言動は

病気に依る所が

多いわけですが

「気持ちの変遷」を

考えると

納得できる部分もあります。

 

うつ状態にある時は

とにかく体が重く

何事にも興味が湧きにくく

不安に満ちた心境に

なるそうです。

 

そのような状態から

幸福感に満ちあふれ

長らく動けなかった状態から

思うように体が動く状態へ

ガラッと変わるわけですから

“行き過ぎた言動”が

引き起こされることも

理解出来ないでしょうか。

 

一方で

「躁(そう)→うつ」は

“幸せの絶頂”から

“奈落の底”へといっても

過言ではない程に

苦しく辛い状態なのだそうです。

 

躁(そう)状態と

うつ状態は

単なる気分や気持ちの

問題ではありません。

 

感情をコントロールする

脳の部位に

不具合が生じている状態です。

 

双極性障害のみならず

脳疾患をお持ちの方は

アルコール依存症

ニコチン依存症

併発しやすいのだそうです。

 

少しでも

気持ちを落ち着けたいという

心理が強く働くのだそうです。

 

当事者にしか感じられない

如何ともし難く

言葉では表現出来ない

“気持ちの違和感”があり

そういった“不快感”を

紛らわせたいのかもしれません。

 

依存症を併発する方が多いため

双極性障害のある方は

アルコールやニコチンの

過剰な摂取から来る

健康への影響により

平均寿命が

10年〜20年も

短くなるという

データがあると

聞いたことがあります。

 

当山住職は

慈恵医大に通院しておりますが

担当の先生からは

アルコールもタバコも

控えるように言われております。

 

しかし現状は

アルコールもタバコも

控えておりません。

 

見方によっては

このような状態も

病状の1つなんだそうです。

 

双極性障害は

診断が難しく

判明しにくい

病気だそうです。

 

双極性障害とうつ病は

全く異なる脳の病気です。

 

双極性障害は

躁(そう)状態と

うつ状態を繰り返しますが

うつ病は

症状が異なります。

 

うつ病を

単極性障害ともいいます。

 

双極性障害の場合

躁(そう)状態の時と

うつ状態の時に

処方される薬が異なります。

 

仮に

双極性障害である方が

うつ病であると診断され

躁(そう)状態のときに

うつの薬を飲み続けた場合

躁(そう)は改善されません。

 

双極性障害は

正しい診断に至るまで

10年弱かかるんだそうです。

 

双極性障害は

様々な症状や疾患がある中

正確に区別し判断する

難易度が高い病気です。

 

それゆえ

病名も明らかで

病院で治療を続けている

当山の場合は

恵まれているのだと思います。

 

とはいえ

家族親族一同は

疲労困憊(ひろうこんぱい)しております。

 

躁(そう)とうつの

両極の幅が極小になり

家族も親族も

病状に振り回されること無く

それぞれが

それぞれの道に

集中できる日が

1日でも早く来て欲しいと

願っております。

whiteday026