双極性障害(躁うつ病)と向き合う③

当山住職は

双極性障害(そうきょくせいしょうがい)

患っており

東京の慈恵医大に

通院しております。

 

双極性障害とは

躁うつ病のことです。

 

これまで長い間

当山住職は「うつ」でしたが

このことは

「体調を崩しておりまして」と

いった具合に

やんわりと伏せて参りました。

 

しかし

住職が躁(そう)状態になり

最近の現状を踏まえた結果

事実をありのままに

お伝えすべきとの

結論に至りました。

 

うつ状態の時は

2ヶ月に1度程度の

通院でしたが

躁(そう)状態の現在は

月に1度程の頻度で

通院しております。

 

躁(そう)状態が

特に激しかった8月は

2週間おきに通院しました。

 

12/8も通院しましたが

次回は12/26に

東京に赴くことになりました。

 

通院頻度の変化が示す如く

躁(そう)状態は

より丁寧な治療が必要です。

 

最近の様子を

ありのままに

述べさせて頂きます。

 

躁(そう)状態では

自分の考えた通りにいかなければ

暴言をはいてしまいます。

 

自分は偉くなったと感じるようで

とても横柄な態度になってしまいます。

 

「自分本位」で

とにかく活動的に

動き回ってしまいます。

 

また

他者のことを

非常に悪く言ってしまう

ということも

よく見られました。

 

電話越しに

声を荒げて

罵声を浴びせてしまう

ということも。

 

住職の病状について

ご存知の方はともかくとして

全く前情報の無い方々からすれば

非常に残念なお気持ちに

させてしまったことが

ここ数ヶ月にわたり

何度もありました。

 

お叱りや苦言のお声

良くない評判など

拙僧(副住職)の耳に

色々と入っております。

 

アルコールを控えるよう

病院から指示されておりますが

最近は思う存分に

お酒を飲んでおります。

 

頻繁に外出するようにもなり

飲み屋にも出入りしております。

 

相当に浪費している様子です。

 

タバコの煙を

体質的にNGとする

身内がいるにも関わらず

室内や境内で

相当量のタバコを

吸っております。

 

葬儀や法事などの

ご相談にいらっしゃる

方々の前であっても

タバコを吸ってしまうようです。

 

何度も何度も

改善するよう

強く求めましたが

全くもって

改善される様子は

見られません。

 

家族も相当に

ストレスを感じているのが

正直な所です。

 

拙僧(副住職)も長らく

左耳が難聴気味ですし

母も妻も

ストレスからくる

様々な症状が

出ております。

 

双極性障害が

社会的信用の喪失や

家庭崩壊を招きやすい

病気であると言われる理由が

痛い程よく分かります。


双極性障害(そうきょくせいしょうがい)は

誰にでも起きうる

脳の病気です。

 

なりやすい性格や

なりやすい環境など

可能性として

様々挙げられるようですが

つまるところ

誰しもがなりうる病気だそうです。

 

患者本人の

性格どうのこうのとは

別次元の所で

こういった極端な行動が

引き起こされるようです。

 

住職自身

本来は

節度のある僧侶です。

 

しかし

極端な病状により

上記のような状態に

なっております。

 

精神科医の友人の話によると

双極性障害の原因と

考えられる1つとして

感情をコントロールする脳部分が

小さくなっていることが

挙げられるそうです。

 

ドーパミンが

極端に出るか

極端に出ないかの違いが

「躁(そう)」と「うつ」の

違いとも考えられるそうです。

 

「病気がそうさせている」所が

多いのかと思いますが

だからといって

全てが全て病気であることに

理由を押し込めてしまっては

偏見に陥りかねないように

感じます。

 

この点は

いわゆる「精神病」全般において

求められる向き合い方に

重なるかと思います。

 

躁(そう)が激しく長い分

激しいうつ状態を

迎えてしまうと

言われております。

 

躁(そう)とうつの

“振れ幅”を

なるべく小さくすることが

双極性障害の治療では

目指す所だそうです。

 

躁(そう)が激しい際は

入院して休養を取ることが

一番とのことですが

「入院」という言葉を

聞いただけで住職は

激しく反発するといった具合なので

病院の処方下さる薬に

頼る所が大きいのが現実です。

 

親族に

厳しい口調で

色々と説得され

それに対して激しく応答する

住職の姿は

非常にかわいそうにも思います。

 

仏道では

四摂(ししょう)という

世の中における

4つの尊い行いの

大切さを説きます。

 

布施(ふせ)

愛語(あいご)

利行(りぎょう)

同事(どうじ)

 

噛み砕いていえば

思いやりの心を持つ

優しき言葉で接する

世のため人のためになる行いをする

相手の立場で考える

といった内容の教えです。

 

躁(そう)状態にある時

当事者は気分爽快で

とにかく楽しく

充実した心地なのだそうです。

 

長年うつ状態が続き

苦しさのどん底を

味わった後で

現在の状態になった

住職の気持ちを考えると

同情できる部分もあります。

 

再び

うつ状態が訪れることを

重々知っているが故の

“行き過ぎた行動”

なのかもしれません。

 

同事(どうじ)の視点から

住職に思いを馳せれば

そのように感じます。

 

ただ

周囲で心労を重ねる

家族の立場で考えると

やはり行き過ぎた行動に

かられてしまう

躁(そう)状態を

一刻でも早く鎮めなければ

共倒れしかねないと

強く感じます。

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