十一面観音に託された除疫への願い

当山の本山は

奈良県桜井市の長谷寺(はせでら)です。

 

先日

本山より全国の豊山派寺院に

除疫札(じょえきふだ)

除疫守(じょえきまもり)

が送られました。

 

説明によると

かつて疫病が蔓延した時代

それを鎮めるために

仕立てられたもので

長谷寺に古来より伝わる版木を

基に復刻してお加持(かじ)

したものだそうです。

 

長谷寺の本尊は

十一面観音です。

 

十一面観音は

7世紀末に日本に伝えられ

8世紀になると十一面悔過(けか)

という作法が行われるようになり

広く信仰されるようになった尊格で

古い歴史を持ちます。

 

当山も

もとは十一面観音が

本尊であったと伝えられます。

 

先にご紹介した

御札と御守の袋に掲載されている

説明を再び参照すると

十一面観音には

十種の功徳があり

その第一番目に

離諸疾病(りしょしつびょう)が

謳われているのだそうです。

 

当山では現在

弘前の仏師さんにお願いして

新本堂の本尊脇仏として

お祀りされる十一面観音像を

本山と同じ三尊形式で

彫って頂いております。

 

十一面観音が

もともとの当山本尊との

伝えがあることを踏まえて

作仏をお願いしたのですが

昨今の世界的なウイルス蔓延が

一日も早く平穏な世になるように

との願いも添えて

お祀りさせて頂きたいと思います。