北へ南へ東へ

普段のお勤めで使用される

様々なお経や作法には

長い長い歴史があります。

 

その歴史や展開については

一朝一夕に捉えられるもの

ではありませんし

今もなお歴史が続いています。

 

日本への公伝は

百済を経由して

6世紀になされたとされます。

 

日本へ伝えられた仏法は

三国伝来(インド→中国→日本)

ということが

ある意味強く意識され

そのことが伺われる

文書も多く残されています。

 

日本へ伝えられた

“ルート”のものは

北伝仏教と通称されます。

 

一方

スリランカや東南アジアへ

伝えられたものは

南伝仏教と呼ばれます。

 

北伝や南伝という名称は

伝播経路からつけられたものです。

 

南伝仏教は主に

上座部仏教を指すのですが

東南アジアの上座部仏教の

瞑想を起源とする実践法が

欧米(特にアメリカ)で

流行しています。

 

ある研究者の方は

アメリカで仏教瞑想(的実践)が

流行していることは

“仏教のさらなる東進”

つまり

インド→アジア→アメリカ

と仏教が伝えられたと

いえると捉えています。

 

そうなるに至った

歴史的背景があるのですが

現代仏教について考える上で

このような動向は

とても多くの示唆に富んでいます。

 

拙僧(副住職)はここ4年程

所属する研究所にて

そういったことを

研究テーマの一つとしている関係で

アメリカについてであったり

南方仏教圏について

調べる機会が増えていまして

本年はこれまで以上に

時間をさいております。

 

ご存知の方も多いと思いますが

いわゆる北伝仏教と南伝仏教は

特徴が異なります。

 

そのような事柄に触れることは

自身を省みることにもなりまして

とても実り多い

学びであると感じています。