住職の葬儀を終えました

当山中興

第64世住職

傳燈大阿闍梨

泰永僧正の葬儀を

終えました。

 

多くの方に

お焼香いただき

祈りを捧げていただきました。

 

ご参列下さった皆様

お焼香においで下さった皆様

お花を送って下さった皆様

弔電をご発信下さった皆様

本当にありがとうございました。

 

今回の葬儀は

正確には密葬(みっそう)

といいます。

 

寺院の一住職の葬儀は

密葬の後に

本葬と晋山式(しんざんしき)を

執り行う場合がほとんどです。

 

密葬というのは

本葬や社葬の前に

行われる葬儀のことです。

 

密葬と聞くと

“密かに”小さく行う

葬儀のように誤解されて

いる場合があるようですが

小規模で行う家族葬とは

全く違う形式です。

 

63世裕教(ゆうきょう)大和尚が

遷化(せんげ)した際は

逝去して間もなくして

密葬を執り行い

一ヶ月後に本葬・晋山式が

行われています。

 

晋山式とは

新住職の儀式です。

 

本葬や晋山式については

いつまでに執り行わなければ

ならないといった

決まり事はないようです。

 

急逝した住職は

新本堂の完成を

心底楽しみにしておりました。

 

本堂落慶を見ずして

遷化したことが

何よりも残念です。

 

今回の密葬では

東北宗務支所のご寺院様方と

住職と同期のご寺院様方に

お勤めいただきました。

 

お導師様をお勤めいただいたのは

真言宗室生寺派管長

大本山室生寺座主

網代智明大僧正猊下(げいか)です。

 

当山は

真言宗豊山派ですが

真言宗室生寺派とは

もともと一つの宗派です。

 

住職と同期とはいえ

一宗派の管長猊下に

お導師様をお勤めいただき

光栄に思います。

 

お導師様もすごいのですが

かけつけて下さった

住職と同期の他の皆様も

とても尊い僧正様方で

本当にありがたかったです。

 

同期の僧正様方には

火葬の待ち時間の間に

色々とお話を伺いまして

アドバイスをいただいたのですが

新本堂完成を心待ちにしていた

住職のことを考えると

本堂落慶と本葬・晋山を

併せた形にしてはどうだろうか

との妙案をいただきました。

 

もう少し踏み込んでいうと

出家者であり

阿闍梨であった

泰永僧正のお骨(こつ)を

浄舎利(じょうしゃり)と

見立てて安置して

落慶法要と晋山式を

行っても良いのでは

というご指南です。

 

本葬も晋山式も落慶式も

別々に丁寧な形で行うのは

現実的にかなり負担も多く

身体がもたないとの

アドバイスもいただきました。

 

それらのご教示を受けて

拙僧(副住職)なりに

考えてみたのですが

「本葬」という形ではなく

「第64世泰永大和尚歎徳供養」

のような形で

「葬送」の意味あいよりも

「歎徳(たんどく)」の意味あいを

大切にさせていただき

慶事である落慶式や晋山式と

並べても違和感ないようにして

法要を厳修するのが

良いかもしれないなと

考えております。

 

生前の住職のことを思うと

その形が何よりもの

ご供養になるのではと思います。

 

住職が逝去して

まだ日が浅いのですが

やるべきことが

山積みとなっています。

 

これから

忙しくなると思いますが

健康には十分気をつけて

取り組んでいきたいと思います。

 

泰永僧正は

心優しく誠実な僧侶でした。

 

拙僧(副住職)は

本当に沢山のことを

教えてもらいましたし

住職が逝去した後のことも

生前から託されていることが

多々あります。

 

それらは

住職亡き今もなお

失われることはありませんし

拙僧(副住職)が

これから歩む上で

大きな意味を持つものといえます。

 

住職に託された思いを胸に

これからも日々を大切に

自身の出来ることを

出来る形で積み重ねていくことが

何よりのご供養になると信じています。

 

まだまだ

力不足の身ではありますが

当山檀信徒の皆様や

地域の皆様

有縁の皆様のために

寳照山普賢院の護持(ごじ)に

一層力を注いでまいる所存です。

 

住職生前中

お世話になった全ての皆様に

改めて感謝申し上げます。

 

本当にお世話になりました。

 

故人にかわり

重ねて感謝申し上げます。

 

法嗣 泰峻

合掌