イチョウの木プロジェクトを思案中です

江戸時代中期の

享保年間に普賢院住職であった

快傳(かいでん)上人は

歴代住職の中でも

殊に重要な意味を持つお一人です。

 

快傳上人は

寺屋敷を建立した際に

記した棟札(むなふだ)には

当地と七崎山に

沢山の木を植樹したことが

記載されています。

 

七崎山は

現在の七崎神社の場所のことで

明治まで旧観音堂(徳楽寺)が

あった地のことを指します。

 

快傳上人は享保期に

七崎山に2000本の杉などの木を

植樹して旧観音堂の

整備にも注力されています。

 

現在の普賢院の地においては

柿や梨といった木々を植えたと

棟札には記されており

イチョウの木も

植えたと伝えられています。

 

ちなみにですが

快傳上人の植樹は

享保という困難な時代において

未来へ様々な願いを託しての行いです。

 

快傳上人が植樹したとされる

イチョウというのは

令和3年(2021)3月9日に

伐採されたイチョウとなります。

 

普賢院のシンボルでもあった木なので

伐採するか否かの審議も難航しました。

 

役員の皆様に

「意見お伺い」という形で

意見をお尋ねした所

伐採賛成 15票

伐採反対 14票

総会の判断に委ねる 2票

という拮抗した結果となり

そのことを踏まえ

役員総会にて

改めて審議を行わせていただき

伐採が決定されました。

 

ただ

歴史的経緯があり

さらに願いが込められたイチョウなので

仏像や仏具など

何かしらの形に出来るようにということで

製材していただき

現在は自然乾燥中となっています。

 

伐採したイチョウ材の自然乾燥には

5年程かかるようです。

 

自然乾燥させてから1年が経過するので

よい具合に乾燥するまで

あと4年はかかることになります。

 

乾燥したイチョウ材を用いて

大日如来像を造立していただきたいと

拙僧泰峻は思案しております。

 

大日如来は

真言宗の本尊と位置づけられる尊格です。

 

計画自体はまだ企画段階ですが

イチョウの木プロジェクト

として5〜6年計画で

取り組ませていただければと考えています。

 

来年いっぱいは

研究と準備の期間とさせていただき

再来年(2024)から本格的に

プロジェクトを始動させていただくような

イメージを持っております。

 

イチョウの木は

お寺の歴史と深く関わるものですし

縁ある木材から仏像を作るという

過程には様々な伝統や文化があります。

 

そういったことにも

触れていただき

ご縁を深めていただけるような形で

プロジェクトを進められるよう

少し時間をかけて

準備をしたいと思います。

 

 

▼イチョウの切り株

 

▼製材したイチョウ(自然乾燥中)

 

▼伐採直前のイチョウ