ねぶたと田村将軍伝説

青森のねぶたは全国的に有名です。

 

ねぶたの起源には諸説ありますが

坂上田村麿将軍の伝説が

伝えられております。

 

毎年優れた団体を表彰する

「ねぶた大賞」という栄えある賞がありますが

少し前までこの賞は

「田村麿賞」という賞名でした。

 

青森駅のすぐそばにある

ワ・ラッセには

受賞した6台のねぶたが

展示されております。

 

ねぶた大賞を受賞したねぶたをはじめ

美しく迫力満点のねぶたは圧巻です。

 

是非多くの方に

ご覧頂きたいです。

 

ねぶたついでに

もう少しだけ田村将軍について

触れさせて頂きたいと思います。

 

田村将軍の伝説は

青森県内各所に見られますが

当山にも田村将軍創建伝説が

伝わっております。

 

当山の創建伝説というのは

田村将軍が奥州六観音の一つとして

七崎に十一面観音を祀ったというものです。

 

当山の現在の本尊は愛染明王ですが

かつては十一面観音を

本尊としております。

 

少し脱線しますが

いつの頃のものかは不明ですが

当山が所蔵する古い版木(はんぎ)で

観音菩薩のお姿と

七崎山 普賢院」の字が彫られている

ものがあります。

 

七崎山は観音山とも呼ばれており

当地周辺を指しますし

現在の七崎神社の地にあった

旧観音堂(寺号・徳楽寺)の

山号としても用いられていました。

 

普賢院においても七崎山の山号が

用いられることがあったということを

版木は伝えております。

 

全てというわけではありませんが

田村将軍伝説は

十一面観音と関わりが深いものが

多く伝えられます。

 

当山に伝わる

田村将軍創建伝説も

十一面観音との関係で

語られております。

 

ここでいう田村将軍は

“歴史上の人物”の枠組みを超えた

“神仏に連なるもの”(権者)といえます。

 

こういった視点は

伝説と向き合う際に

必要だと思います。