余白を活かす

拙僧(副住職)は正直な所

字が上手くありません。

 

特にペン字は

下手です。

 

習字は習っていた事もあり

「ド下手」とまではいきませんが

それなりに整えて

塔婆や位牌をしたためております。

 

先月、愛媛県の松山市を

訪れた時に

浄明院の御住職に

大筆を使って

畳一枚程の紙に字を

書かせて頂く機会を

頂戴しました。

 

浄明院の

森脇宥暢(もりわき ゆうちょう)

御住職は長年書道に

励まれていらっしゃいます。

 

大きな法要を終え

一段落していた折

「ちょっと書いてみませんか」

ということになり

御住職の書道のお部屋へ

入らせて頂きました。

 

拙僧(副住職)は

自利利他(じりりた)と

書かせて頂きましたが

大きな筆でしたためることは

非常に難しく

思ったような字には

なりませんでした。

 

上手く墨がのらず

筆先も操りきれず。

 

3枚程挑戦させて頂きましたが

自身の力不足を痛感しました。

 

御住職も

実践して下さいましたが

実力差はまさに“月とすっぽん”。

 

御住職は

書について色々とお話下さいましたが

最も印象的だったのは

「余白を活かす」という

お言葉でした。

 

確かに拙僧(副住職)の

したためた「自利利他」の

「利」と「他」は

中央部分が込み入って

余白の大部分が

墨で染められておりました。

 

写真はありませんが

御住職がしたためられた

「自利利他」は

余白が活かされることで

字そのものが際立つように

字をくずしながら

整えられておりました。

 

「余白を活かす」。

 

とても心に

残ったフレーズです。

 

自坊へ戻り

中国の写本などに

目を通してみると

確かに「余白が活かされ」て

いるように感じました。

 

「書は体を表す」

「書は人なり」

といわれます。

 

自身のおもいが

通うような書を

したためられるように

なりたいものです。

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