日々の中で向き合うお仏壇

当山有縁の方が

仏壇を新居に移すのに伴い

お経をあげてほしいとの

お願いがあり

お勤めにお伺いしました。

 

お寺まで車でお迎え頂き

運転して下さった

施主様のお姉様と

あれこれと車中20分少々

お話しながら

お宅へと向かいました。

 

ご供養のことや

ご子息様のこと

受験のこと

留学のことなど

車中の話題は様々でしたが

何気ない会話の中にも

示唆に富んだものが

散りばめられておりました。

 

お気軽に

ご忌憚のないご発言を

頂けることはとても

ありがたいことです。

 

頂くご質問などに

お答えする中で

新たな発想が浮かぶことは

よくあることです。

 

対話を通じて

頭の中に思い描いて

頭の中の引き出しに

しまっておいた考えが

久しぶりに

思い出されたりと

車中での時間は

有意義なものでした。

 

引っ越し先に

改めて置かれた仏壇は

きれいにお手入れされて

いらっしゃいました。

 

ほこりが

たまりやすい所が

仏壇にはあるのですが

ほこりのたまりもなく

お手入れされておりました。

 

ご家族の方や

ご親戚の皆様が

仏壇を大切にお守り

されていることが

伝わってまいりました。

 

お仏壇にお祀りされる

お位牌は施主様の

お母様のものです。

 

仏壇供養の日は晴天で

風になびくカーテン越しに

優しい陽ざしが

差し込んでいました。

 

仏壇は

日々の時間の中で

お守りされることに

深い意味があります。

 

車中での会話の中からも

どのような「日常の時間」が

流れているのかを

少しだけ垣間見させて

頂いたように思います。

 

仏壇が置かれる

空間と時間に

思いをはせながら

お手合わせさせて頂きました。

 

きれいに手入れをしたものに

映り込む自身の姿は

「この世のほとけ」と

いわれると

聞いたことがあります。

 

要するに

きれいに保たれているものや

きれいな状態にされたものは

それと向き合われる方の

心のあり方にも通じている

ということです。

 

綺麗な仏壇に

そのお家の方々の

“清らかなお心”を感じた

お勤めでした。

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葛(くず)の魅力に触れる

京都へ赴いた折に

和歌山の根来や

奈良の吉野へも

足を伸ばしました。

 

吉野を訪ねた際に

吉野葛(よしのくず)を

扱うお店に立ち寄りました。

 

葛は秋の七草のひとつでもあり

一般的に馴染みのある

植物であろうかと思います。

 

茶屋で

葛もち、葛きりを

召し上がられたことの

ある方も多いことでしょう。

 

吉野を訪ねた日は

気温が約30度もあったので

ツルっと美味しい葛もちや

葛きりを食べようと

金峯山寺(きんぷせんじ)を

出てすぐの

お店に入ったのですが

そちらのご主人が

実に素晴らしい方でした。

 

まさに「職人さん」であり

葛へかける情熱を

感じました。

 

お店のメニューは

葛もちと葛きりのみ。

 

注文を受けてから

お客さんを前に

説明を交えながら

手作りするのが

そのお店の流儀でした。

 

出来たての

透明で透き通った

葛もち、葛きりは

素材そのものの味を

堪能することが出来ます。

 

透明で透き通った

葛もち、葛きりは

賞味期限が10分だそうです。

 

製造工程を見学させて

いただく中で

交えられるご主人の

説明がとても分かりやすく

葛の魅力が伝わってまいりました。

 

葛についての学びは

勿論のことですが

ご主人の姿勢そのものが

素晴らしい学びでした。

 

「知ることで

皆さん葛が食べたくて

仕方なくなりますよ」

という前置きで

始まった製造工程の

見学でしたが

ご主人のおっしゃる通り

知れば知るほど

葛への食欲をそそられましたし

葛の伝統への興味も湧きました。

 

“本物の味わい”を

教えていただいた

一服の時間となりました。

 

また訪ねてみたいと思います。

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永福寺ゆかりの札所 早稲田観音②

糠部三十三観音霊場

第23番札所

早稲田観音

 

こちらはかつて

当山前身である永福寺の

堂宇が建立された地です。

 

現在は永福寺の

後身であるお寺は

三戸にはありませんが

嶺松院(れいしょういん)という

永福寺自坊が明治時代までは

存在しておりました。

 

永福寺の起源は

不明な所が多いのですが

永福寺の寺伝によれば

延暦13年(794年)に

坂上田村麿公により

奥州六観音の1つとして

現在の当山の地に

十一面観音を祀る

祈願寺として建立された

とされます。

 

寺伝によれば

永福寺は別院として

別所にも堂宇を

構えたとされます。

 

永福寺と深く関わったことを

今に伝えるものとして

早稲田観音のお堂裏手に

広がる墓地内に

永福寺僧侶の

五輪塔や供養塔がございます。

 

永福寺の先師方に

限ったことではありませんが

かつては供養塔として

墓石を縁故ある各地に

建立するということは

珍しいことではありません。

 

もちろん世間一般的な

ことではありませんが

僧侶でいえば

縁故あるお寺数カ所に

墓石や位牌が祀られることは

よく見られることです。

 

早稲田の地に

永福寺僧侶にまつわるものが

残されていることが

三戸の地が永福寺と

とても縁が深い場所である

ことを物語っております。

 

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永福寺ゆかりの札所 早稲田観音①

糠部三十三観音霊場

第23番札所

早稲田観音

 

三戸郡南部町の

新羅神社のすぐそばに

札所の観音堂があります。

 

こちらの本尊は

十一面観音という観音様です。

 

 

早稲田観音の地は

かつて永福寺の堂宇(どうう)

があった場所でもあります。

 

当山の前身である永福寺は

三戸にも堂宇を構えたと

寺伝は伝えております。

 

永福寺が祈願所として

殊に大切にされたのは

宮中祭祀とも深く関りのあった

真言宗の「法流」を受け継ぐ

お寺であったことが

大きな理由であろうと

考えられます。

 

後七日御修法

という行事をご存知でしょうか?

 

今もなお東寺にて

年頭に行われる国家安泰を

ご祈願する尊い行事ですが

弘法大師の御代より

真言宗が担っているものです。

 

永福寺が

南部家累代の祈願所

とされたのは

由緒ある法流を受け継いでいた

ことが大きな理由であったのだと

思われます。

 

南部実光公が

建久2年(1191年)に

三戸城の鬼門の位置である

早稲田の地に永福寺を

建立したと伝えられますが

鬼門の地に

七崎の地で古い歴史のある

永福寺を早稲田の地にも

わざわざ建立したことから

いかに大切なお寺であったかが

伝わるかと思います。

 

早稲田観音と

永福寺のかかわりについて

次回またお話させて頂きます。

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音の伝統を“たしなむ”

日本の音にも

伝統があります。

 

日本音楽の源流は

声明(しょうみょう)

とされます。

 

声明(しょうみょう)とは

節が付けられた

お経のことです。

 

真言宗は

声明を重んじる

宗派でもあります。

 

平安時代よりの宗派ゆえ

いにしえのひびきを

今に伝えます。

 

声明の楽理(がくり)は

中国伝来のものがベースと

なっております。

 

その楽理は

雅楽などの邦楽にも用いられ

ご詠歌の譜にも

応用されております。

 

「修行時代」に

声明を御指南頂いた際には

全く理解できなかった

楽理ですが

色々調べものをしていた折に

再び紐解く機会があり

約十年振りに

学び直しております。

 

不思議なもので

拙僧(副住職)にとって

かつては無味乾燥なものに

感じた楽理が

今となっては

とても味わい深く感じられます。

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心身を清らかに

6/5に寺子屋ワークショップ

香りのこころ〜清浄のひととき〜

が開催されました。

 

『香りのこころ』では

香りに託される

仏道のこころを紐解きながら

“アロマなワーク”に

取り組んで頂いております。

 

今回のアロマなワークは

精油と植物油をもちいた

石けん作りでした。

 

「かわいいアロマひつじや」の

小松美央さんと

「石けんの贈りもの」の

豊川友美さんの

ご指南の下に

ご参加の皆様には

心安らぐ芳しい石けんを

お作り頂きました。

 

本日お作り頂いた

石けんは一ヶ月間

熟成させて完成

するのだそうです。

 

石けん作りの際の光景は

実験室さながらの光景でした。

 

仏道とアロマと石けんと。

 

とても心地の良い

学びのひとときとなりました。

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傾聴の大切さ

傾聴(けいちょう)とは

話に耳を傾けることです。

 

傾聴の重要性を

最近よく耳にします。

 

先に京都の智積院にて

開催された講習会でも

傾聴が幸福感をもたらす

ということを

北海道大学の櫻井義秀先生が

おっしゃられていました。

 

現代は情報を

発信したい人が多い一方で

聴く人が少ない時代

なのだそうです。

 

当山では

新たな取り組みとして

お寺サロン「結〜Yui〜」

という時間を

設けることといたしました。

 

寺子屋ワークショップよりも

更に気軽にお過ごし頂く

「集いのひととき」として

随時開催したいと思います。

 

お寺サロンにて

傾聴する機会を

持ちたいと考えております。

 

人は思いを言葉にするだけで

精神的な落ち着きを

得られるのだそうです。

 

お寺サロンの

傾聴に関しては

コーヒーなどの飲み物を

召し上がって頂き

リラックスして頂きながら

気軽に何でもお話して頂ける

といったものを

イメージしております。

 

お墓やお葬式など

いわゆる終活に関する

お悩み相談でも

仕事の悩みでも

将来の夢でも

様々にお話頂ける場に

したいと思います。

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分かりやすくも行いがたし

七仏通戒偈

(しちぶつつうかいげ)

という短いお経を

ご存知でしょうか。

 

諸悪莫作(しょあくまくさ)

衆善奉行(しゅうぜんぶぎょう)

自浄其意(じじょうごい)

是諸仏教(ぜしょぶっきょう)

 

「悪いことをさけ

良いことにつとめ

自身の心を浄めることが

諸仏の教えである」と

いう意味のお経です。

 

聞くといたって当然の

ことのように思えますが

実践するとなると

これがとても難しいのです。

 

七仏通戒偈の七仏とは

“七人の仏”を意味します。

 

仏(ブッダ)とは

「目覚めた者」の意味で

悟った方を指す言葉です。

 

仏教ではお釈迦様こと

釈迦牟尼世尊(しゃかむにせそん)は

7人目のブッダであるとされます。

 

七仏通戒偈は

全てのブッダに通じる

尊いみ教えであり

仏道のみ教えが

端的にあらわされた

お経の1つです。

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安心して集える場 お寺サロン

お寺を舞台に

様々なテーマを通じて

様々なご縁が温められる

お寺サロン「結〜Yui〜」

 

庫裡(くり)ハナレの

改修を機に今後

開催したいと思います。

 

「出会い」

「体感」

「共有」

「発見」

「安らぎ」。

 

料理を一緒に学んだり

日本の伝統文化や

世界の文化に触れたり

将来を語り合ったり

終活関係の相談会を開催したり

傾聴カフェを開催したり

などなど

「様々な集いのひととき」を

お寺サロンとして

開催したいと考えております。

 

国籍、宗教、性別、年齢、肩書き

などを超えて

誰もが安心して集える

お寺サロン「結〜Yui〜」。

 

寺子屋ワークショプとは

また少し趣が異なる

交流の場として

時間を設けたいと思います。

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「これから」を考える

5/31に京都の智積院(ちしゃくいん)

にて開催された講習会の

パネルディスカッションで

拙僧(副住職)は

パネラーを勤めてまいりました。

 

智積院は

真言宗智山派(ちさんは)

総本山です。

 

真言宗智山派と

当山の所属する

真言宗豊山派(ぶざんは)は

とても“近い”宗派であり

今回の講習会は合同で

学びを深めるものでした。

 

社会変化の激しさが増す中で

どのような問題意識をもち

どのような取り組みをして

どのような「これから」を

思い描くのか。

 

90分では

枝葉の部分のみで

パネラーそれぞれが抱く

“おもいの根幹”を

お伝えするには

到底至りませんでしたが

とても充実した時間と

なりました。

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